自民党が杉田水脈、松川るいの両議員を要職に起用し波紋を呼んでいる。杉田議員はアイヌ民族や在日コリアンの人々をやゆした投稿を札幌法務局が「人権侵犯」と認定。松川議員も党女性局によるフランス研修で批判を集めたためだ。実は、2人は日本軍「慰安婦」問題などで歴史修正主義的な主張を広める「歴史戦」の有力な担い手という点で共通しており、重用は外交の場での「歴史戦」重視の表れとの見方がある。日本による植民地支配や侵略戦争の犠牲者の尊厳を踏みにじるメッセージを対外的に発信しかねないとして、懸念が広がる。 自民党は杉田議員を党環境部会長代理、松川議員を副幹事長と国防部会長代理に起用した。「2人ともコア(核)に『歴史戦』がある」と指摘するのは、「慰安婦」問題を中心に官民の歴史否認の問題を研究する米モンタナ州立大准教授の山口智美さんだ。 「歴史戦」とは「慰安婦」や南京大虐殺などの歴史問題について海外で日本に批判