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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (59)

  • 『はじめてのおつかい』がアメリカで巻き起こした大論争 NEWSWEEK

    <保護責任が厳しく問われるアメリカでは、子どもを一人でお使いに出すことは「非常識極まりない」はずだが......> 日のNTV系列が放送している長寿番組『はじめてのおつかい』の中から、諸条件に合致したエピソードの放映権がNetflixに売却され、この4月1日から「Old Enough」(「(単独行動をするには)十分に大きい」)というタイトルで世界各国で視聴されるようになりました。一番幼い場合は3歳児未満という幼児が、親に頼まれて「一人でお使い」に行くというリアリティー・ショーですが、アメリカでは大変な話題になっています。 アメリカでは、州によって若干の違いはありますが、基的に13歳未満の子供に対しては保護者の監視が義務付けられています。ですから幼児に一人で街路を歩かせていることが判明した場合には、その幼児は即座に保護され、保護者は逮捕されるばかりか、そのような「危険な状態を見て見ぬふり

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  • 東京五輪に1300億円支払っている米NBC、その報道姿勢が意外に冷静な理由

    <場合によっては期間中に「中止」になる事態もおそらく想定している> 東京五輪が間近に迫ってきましたが、アメリカのメディアは盛り上がっていません。もっとも、アメリカの場合は五輪の中継権はNBC一社で独占していますから、NBC以外のテレビ各局が、五輪に対して冷ややかなのは通常モードです。 そのNBCの契約ですが、IOCとの間で結ばれているのは、東京、パリ(2024年)、ロス(2028年)までの長期契約で、そのうちの東京の分が約1300億円(12億ドル)と言われています。このように巨額のマネーが動く背景には、アメリカ人の「オリンピック好き」という性格があります。 アメリカ人のスポーツへの関心は、平常時ですと、四大スポーツとされる「野球、アメリカンフットボール、バスケ、アイスホッケー」が中心です。ただ、オリンピックが始まって「チームUSA」が活躍しだすと、突如として熱狂が始まり、NBCとしては「元

    東京五輪に1300億円支払っている米NBC、その報道姿勢が意外に冷静な理由
  • 働き方改革法案で、やはり骨抜きになった「同一労働、同一賃金」

    <他の先進国ではあり得ないような日の硬直化した勤務体系が国際競争力を阻害しているのに、今回の働き方改革法案にはその認識が足りなすぎる> 問題になっていた裁量労働制の拡大については、安倍総理は見送る判断をしたようです。 判断としては妥当だと思いますが、追及した野党の側にしても「データの信ぴょう性」という点だけでの「攻撃」に終わりました。結局のところ、「終身雇用制のヒエラルキー」があり「一人一人の職務分掌」がオーバーラップしている日では、労働者に「時間の裁量権がない」のだから「裁量労働制」を無制限に拡大してはダメだという質的な議論は、十分にされていないようです。 では、他の部分についてはどうなのかというと、現在の法案にもまだまだ問題があると思います。 一番の問題は「同一労働、同一賃金」という部分です。 現在の法案(厚労省による適用ガイドラインも含めたもの)では、確かに「非正規労働」と「派

    働き方改革法案で、やはり骨抜きになった「同一労働、同一賃金」
  • 裁量労働制のどこがウソなのか?

    <日の企業では事実上、人に時間管理の裁量権がないケースがあり、その状態で裁量労働制の制度だけを適用すれば、結果として長時間労働につながりかねない> 裁量労働制にすればトータルの労働時間が減るのか、減るという統計はウソではないのか、といった話しが政治的な駆け引きに使われています。要するに、野党側は政府が提出した「裁量労働にすると労働時間が減る」というデータの信憑性を疑っているわけです。 確かに裁量労働制というのは、「あるタスクを完遂する上で、時間のかけ方や仕事の進め方を、自分の裁量でコントロールし、主体性を持って仕事に向き合う」という考え方に立って、「求められる成果を上げていれば、出退勤は自由」という運用をするものです。 この制度ですが、理想的に運用がされればメリットはあります。「仕事の遅い人が高額の残業手当をもらったり、努力賞的な評価を得たり」することがなくなり、「スキルの高い人が比較

    裁量労働制のどこがウソなのか?
  • シリア情勢、北朝鮮情勢に対して米世論が冷静な理由

    シリア空爆は衝撃だったが、これ以上の行動はできないという見方も(写真は、ニューヨークでシリア空爆に抗議する人たち) Stephanie Keith-REUTERS <シリアと北朝鮮をめぐる情勢は緊迫しているがアメリカ世論は至って冷静。シリア空爆以降、トランプ政権がこれ以上の軍事行動に出ることはない、という見方が広がっているため> トランプ政権は、先週6日にシリアのアサド政権の空軍基地を突如空爆した一方、同時に行われていた米中首脳会談を終えると、北朝鮮危機に対処すべく、空母USSカールビンソンを母艦とする空母打撃群を朝鮮半島に向けて派遣しています。 シリア情勢も、北朝鮮情勢も、「風雲急を告げている」ようなのですが、週明けのアメリカでは、実はどちらのニュースも関心が薄れつつあります。例えば、今週10日月曜の夕方のニュースのヘッドラインは、 (1)カリフォルニア州の小学校へ担任の夫が乱入して銃で

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  • 「デジタルデフレ」こそ、世界経済が直面するリスク

    <G7で世界経済のリスクを強調した安倍首相。日経済がマイナス圧力にされされていることは間違いないが、その要因はテクノロジーの進化などによって産業が縮小するグローバルなデフレだ> 安倍内閣は、2017年4月に予定されていた消費税の増税を延期すると発表しました。一部に反対論もあるようですが、昨年4月に実施された消費税率引き上げ(5%から8%へ)の後の状況を勘案すると妥当という考え方もあるでしょう。 この昨年4月の前年2013年を振り返ると、2012年12月末に第2次安倍政権が発足すると共に、いわゆるアベノミクスが開始され、円安と株高へと振れた年でした。この2013年の第1四半期GDPの伸び率は4.4%(実質)を記録しています。その勢いがあっても、昨年4月の税率アップの反動は壊滅的だったのです。 今回仮に2017年4月に増税するとして、その一年前の第1四半期GDP伸び率は「予想より良かった」と

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    lEDfm4UE 2016/06/04
  • 「トランプ降ろし」の仰天秘策も吹き飛ぶ、ルビオとクルーズのつばぜりあい

    今週開かれた共和党のネバダ州党員集会では、ドナルド・トランプ候補が45.9%の得票率を獲得し、遂に40%の大台を突破。2位のルビオ(23.9%)、3位のクルーズ(21.4%)両候補に大差をつけています。来週3月1日の「スーパー・チューズデー」(南部の州が多いので大学スポーツリーグの名称を取って別名「SECプライマリー」とも呼ばれる)」では、共和党の場合14州で予備選または党員集会が行われますが、現在のトランプ陣営は絶好調と言っていいでしょう。 共和党系のアナリストたちは、この事態に「真っ青」になっています。「小さな政府論」も「ブッシュのイラク戦争」も「自由貿易」も否定するトランプの存在は、共和党の中核イデオロギーを破壊するだけでなく、11月に大統領候補として担ぐことになれば、上下両院から地方選挙まで含んだ「巨大な同時選挙」が総崩れになる可能性もあるからです。 そこで、多くのワシントンの保守

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    lEDfm4UE 2016/02/25
  • なぜ日本には「左派勢力の旗手」が出現しないのか?

    今週のアイオワ党員集会では、自称「民主社会主義者」のサンダースがヒラリーに肉薄した Rick Wilking-REUTERS 各州の予備選が始まったアメリカの大統領選では、民主党のバーニー・サンダース候補に若者の支持が集まっています。今月1日のアイオワ党員集会では、盤石と言われたヒラリー・クリントン陣営に1%未満の差まで詰め寄る一方で、今月9日に予定されているニューハンプシャーの予備選では自身の選挙区バーモントの隣ということもあって、大差での1位が見込まれています。 このサンダースですが、60年代から「反戦・反格差」を主張として掲げており、自分は「民主的な社会主義者」という立場を一貫して通しています。さらに大統領選で「政治による革命を目指す」としています。政策としては「空前の大増税を行って富裕層の富を吐き出させ」、「スウェーデンや日のような政府一元化の健康保険制度」を導入、さらには「公立

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    lEDfm4UE 2016/02/04
  • 暴言大炎上でも共和党の「トランプ降ろし」が困難な理由

    トランプの「イスラム教徒入国禁止」発言で共和党予備選はこのままの形で継続させることが困難に Mark Kauzlarich-REUTERS 今週飛び出したドナルド・トランプの「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」というコメントは、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。 オバマ政権のアーネスト報道官が「大統領候補の資格なし」と切って捨てたのを筆頭に、民主党サイドだけでなく、ブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領、ライアン下院議長などの共和党の大物も口を極めて非難をしています。 ペンシルベニア州のフィラデルフィアといえばアメリカ建国時の首都であり、来年7月に民主党の党大会が予定されている大都市ですが、同市のマイケル・ナッター市長は「トランプの入市禁止」を宣言。一方で海を渡ったイギリスでも、「トランプ入国禁止措置を求める請願」が盛り上がっています。 そんなわけで、まともな

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    lEDfm4UE 2015/12/12
  • 日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感

    の言論では「反知性主義」がイデオロギー批判の感情論として使われているのが目立つ(写真は昨年末の衆院選で選挙演説を聞く人たち) Yuya Shino-REUTERS 日で「反知性主義」という言葉が流行していることも、また、その言葉の使い方について論争があることも承知していました。ですが、その議論の全体に「どこかピンと来ない」感じがあって論評を控えていました。年末に差し掛かるこの時期になって、一部のメディアで「今年の流行語」として取り上げられるなど、さらに多くの議論を呼んでいるようですので、私なりに整理してみたいと思います。 そもそも「反知性主義」という言葉については、例えば森あんり氏が、著書『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』で取り上げたように、アメリカ家であって、特にアメリカのプロテスタンティズムが持っている「アンチ・エリート」の伝統を指した言葉という理解があります

    日本で盛り上がる「反知性主義」論争への違和感
  • なぜアメリカはFIFA汚職の摘発に踏み切ったのか?

    何とも突然でした。新任のロレッタ・リンチ司法長官率いるアメリカの司法省は今週、贈収賄などの疑いでFIFA(国際サッカー連盟)の幹部9人を含む15人を起訴したと発表したのです。起訴された幹部には、現職の副会長2人と元副会長が含まれているというのですから大変です。ちなみに、今週末の会長選挙で再選を目指しているゼップ・ブラッター会長は現時点では入っていません。 起訴に踏み切ったのは米司法省ですが、スイス当局と密接な連携の上で捜査が行われており、リンチ司法長官は、被疑者の逮捕についてはスイス当局に依頼しています。その逮捕は、例えばFIFA幹部に関しては会長選挙などの会議のために滞在していた高級ホテルで、27日に粛々と進められたそうです。 捜査の指揮をしているのはリンチ司法長官ですが、今回の捜査に関しては司法省(日で言う最高検察庁)に加えてその傘下にあるFBI(連邦捜査局)、更にはIRS(内国歳入

    なぜアメリカはFIFA汚職の摘発に踏み切ったのか?
  • 「同一労働・同一賃金」はどうして難しいのか?

    同じ仕事をしたら同じ賃金をもらう、これは極めて当たり前のことのように思えます。事実、欧州では多くの専門職の仕事が「ワークシェアリング」の対象とされており、フルタイムの人も、パートタイムの人も時給換算では同じ賃金をもらっています。 私の住むアメリカでは、そこまで一般的ではありませんが、例えば子育て中の世代などで、時給制弁護士、時給制医師といったものがあります。来は年収1800万の小児科医が、一時期だけ勤務時間を半分にしている場合には、年収は900万になるわけです。 アメリカの場合は、「ワークシェアリング」はまだ少ないのですが、同一労働・同一賃金という原則は極めて厳格に守られています。これに違反すると巨大な訴訟リスクを抱えることになるからです。そのために、「賃金の違う人は、相手の業務を奪ってはならない」ということも徹底しています。 例えば、学校で床の清掃をするのはジャニターという職種ですが、

    「同一労働・同一賃金」はどうして難しいのか?
  • 黒人青年射殺事件「不起訴」の衝撃 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    今年8月の発生以来、深刻な人種間対立を招いていたミズーリ州ファーガソンの白人警官ダレン・ウィルソンによる黒人青年マイケル・ブラウン氏射殺事件について、アメリカ時間の11月24日夜、大陪審の審理が終了しウィルソンは不起訴となりました。 大陪審というのは、有罪無罪を決定する法廷ではなく、この事件に関する「起訴・不起訴」を決定するだけの審理です。それに3カ月も要したというのは、要するに陪審員の合意形成に難航したということなのだと思います。 基的な構図としては、黒人住民の認識としては「武装していないブラウン氏をウィルソンが一方的に射殺した」として、「人種差別事件」だと猛抗議を続けているわけです。また市警察の側としては、ブラウン氏が暴力的な態度を取るなど、身の危険を感じた場合は「相手を無害化する護身措置」を取るのは警察官として当然であり、ミズーリ州法によれば犯罪を構成せず、従って逮捕拘束の措置もし

    黒人青年射殺事件「不起訴」の衝撃 | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 適切だったJR西日本の「早期運休判断」

    台風19号の上陸に備えて、JR西日が早急に運休を決定したことに対して賛否両論があるようです。具体的には13日の午後から順次運転数を減らし、午後4時以降は京阪神の全線で運休をしたのですが、この方針を「13日のお出かけは控えてください」と「前日の12日に予告」して呼びかけた、確かにこれは日ではあまり前例のない対応でした。 この問題を評価するには、具体的な過去の経緯を考えておいたほうが良いと思います。5点掲げておきます。 1つ目は、国鉄民営化直前の1986年12月に、山陰線にある有名な余部鉄橋(兵庫県美方郡香美町)で発生した事故の問題です。この事故ですが、鉄橋を通過中の客車が最大風速33メートル(m/s)の突風にあおられ、機関車以外の客車の全車両が台車の一部を残して転落するという惨事となりました。 転落した客車は橋梁の下にあった工場と民家を直撃し、亡くなった車掌を含めて6名の死者を出すと

    適切だったJR西日本の「早期運休判断」
  • 愛国歴史教育に対する「米高校生の異議申し立て」が勝利した日

    最近の各国の保守主義の運動には「自国の歴史に誇りを持てるような教育」へと、歴史教育を改変するという志向があります。アメリカも例外ではありません。例えばブッシュ時代の「草の根保守」の復権を契機として、ハッキリとそうした運動が立ち上がっています。 そのリーダー格といえば、リン・チェイニー氏です。チェイニー前副大統領の夫人ですが、歴史家というより文学者という立場で「愛国歴史教育」を推進していたのです。 チェイニー氏はまず「建国の歴史」に関して「トーマス・ジェファーソンの理想主義とか、権力への牽制」といったエピソードではなく、「独立戦争の苦しい戦いを勝利に導いたワシントンの勇気」を前面に出して教えよとか、ベトナムや公民権の話ばかり教えるのはバランスを欠くなどという主張を「運動」にしたのです。 更にチェイニー氏の前にフランシス・フィッツジェラルドというジャーナリストは79年に出した『アメリカ史の改善

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  • 異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相は7月1日に記者会見を行い、内閣によって「集団的自衛権の合憲化」が閣議決定されたとアナウンスしました。これと前後して、首相官邸前ではかなりの規模のデモが行われ、メディアも大きく取り上げているようです。 今回の一連の動きですが、どうにも「異常な」ことだらけだと思います。私には、集団的自衛権に関する問題に加えて、以下に掲げる問題の「異常さ加減」の方に、より深刻なものを感じました。 一つは、アメリカのオバマ政権は今回の「憲法解釈変更」をとりあえず歓迎しているわけですが、その意味合いというのは「制度としての変更」は支持するものの、「制度変更を後押しした政治的な動き」に関しては、支持ではなく警戒しているということです。 つまり、歴史認識の見直しを中心に中国との摩擦を強め、同盟国であったはずの韓国との結束も弱体化させつつある安倍政権の政治的な姿勢には賛同していない一方で、「米軍の負担軽減」とい

    異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき

    第一次安倍内閣の際に廃案になった「ホワイトカラー・エグゼンプション」が、今度は「残業手当ゼロ化」とでも言うべき拡大案として、再び検討されているようです。今回は、管理職一歩手前の年収1000万円超クラスに加えて、労使協定を行えば全社員にも適用可(その場合は時間の上限規制はあり)というものです。 この法案に関しては、過労死推進であるとか、日経済の総ブラック化といった言い方で批判がされているようですが、私はそのような批判では足りないと思います。現在の日社会で労働時間規制を緩和するということは論外であり、反対に徹底的に強化するべきです。そうではないと、日経済の衰退を加速する、そのぐらいの問題であると思います。 中には、当面は「高すぎる人件費の削減」の一環として「残業手当の廃止」を行うのは「企業の生産性向上と国際競争力回復」のためには仕方がない、それが日経済を延命させる唯一の現実的判断だ、と

    日本経済の競争力回復のために「労働時間規制」は強化するべき
  • 愛国心教育で自己肯定感は向上するのか?

    一連の保守的な教育論議の中で、次のような仮説が語られているのは知っていました。「現在の子供たちには自己肯定感とか自尊感情が欠けている、その背景には自分の国が悪い国だというような『自虐史観』がある、従って、子供の自尊感情向上のためには愛国心教育が必要である」というストーリーです。 例えば、先日私の出演した「朝まで生テレビ」という番組でも、いわゆる保守派の論客からはそのような発言が何度もありました。 これに対して、私はアメリカの様子を例に取って「それは少し違うのではないか」ということを申し上げました。 つまり「アメリカにもベトナム反戦とか、学生運動など国家に批判的な活動があったが、むしろそうした国を批判するような人々の方が、一般的に自己肯定感というのは高いのであって、逆に9・11以降の草の根保守のように、自己肯定感の弱い人々のほうが精神的に国家に依存する傾向がある」というストーリーです。 私は

    愛国心教育で自己肯定感は向上するのか?
  • 「安倍靖国参拝」、アメリカの許容範囲はどこまでか?

    昨年末に安倍首相が行った「靖国参拝」に関しては、駐日アメリカ大使館並びにアメリカの国務省省から「失望」というコメントが出ています。この点については「これで日米関係が悪化する」とか「米中接近のきっかけになる」というレベルのものではないし、まして、この事件を受けて、アメリカの一般の世論における対日感情が悪化するということはないと思われます。 アメリカは年始以来、異常な気象状況が続いています。特に「ポーラー・ヴォーテックス(極渦、北極からの低気圧)」が吹き込んだ寒波のために、西海岸とフロリダ半島の先以外の北米大陸は記録的な低温となりました。私の住むニュージャージー州でも7日の火曜日は、快晴であるにも関わらず最高気温が華氏11度(摂氏マイナス12度)という厳しい寒さになりました。 ですから、ニュース報道としては「それどころではなかった」のです。ですが、そうした異常な状況がなくても、「安倍参拝問題

  • 特定秘密保護法案、どうして「今」なのか?

    この問題ですが、海外と秘密を共有する際に、日も流出防止の法制が必要だというのが今回の法制化の根拠として言われています。そして、その秘密情報を共有する主要な相手国として、アメリカが想定されています。ですが、そのアメリカから見ると、どうして「今」必要なのかが、どうしても理解できないのです。三点、疑問を提起しておきたいと思います。 一点目は、この間の「テロとの戦い」において、秘密情報の共有ということは、果たして良い結果を生んだのかという問題があります。例えば2003年のイラク戦争の開戦に当たって、アメリカのブッシュ政権は「サダム・フセインが大量破壊兵器を持っているという証拠」があるとして、それを「一般には公開しない」ことを条件に「同盟国の首脳には見せた」という経緯があります。 現在はこの情報は虚偽であったというのが米国政府の公式見解であり、ブッシュ大統領(当時)人も情報が誤りであったことを認

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    lEDfm4UE 2013/11/16
    なぜ「今」なのか?