熊本地震から3カ月。熊本市出身、NHKの武田真一アナウンサー(48)は、発生直後から被害や復旧・復興の状況を日々のニュースで伝える一方、特集番組で故郷への思いもにじませてきた。武田アナに、当時の思いや災害報道におけるアナウンサーの責任について聞いた。(三品貴志) ◇ 〈武田アナは本震のあった4月16日夜の「NHKスペシャル」で、「熊本県は私のふるさとです。ふるさとを思うと、胸が締め付けられます」と心情を吐露。番組終盤では「この災害を乗り越えましょう」と現地に呼びかけた〉 私たちはあの番組を放送するにあたり、「被災した方々の状況を代弁し、日本全国にその声を届けたい」というメッセージを込めた方がいいと考えました。番組・キャスターとしての立ち位置を鮮明にするために、ああしたことを申し上げました。 NHKでは東日本大震災以降、災害時、視聴者にどのような呼びかけをしたらいいか、検討を続けてきました。