宇宙航空研究開発機構は10日、月探査衛星「かぐや」の2基ある子機のうち、リレー衛星「おきな」が日本時間12日夜に月の裏側に落下するとの見通しを明らかにした。おきなはかぐや打ち上げから約1カ月後の2007年10月に親機から分離され、親機と連携して月の裏側の重力分布を世界で初めて直接観測した。 おきなは八角柱形で、重さ約50キロ。当初は月面から高度100−2400キロの細長い楕円(だえん)軌道を周回していたが、月面に近い方の高度が徐々に低下し、最終的に月面の高地に衝突して壊れる見込みとなった。 宇宙機構によると、かぐや同様に月を周回中の中国の探査衛星「嫦娥」やインドの同「チャンドラヤーン1号」に衝突を観測してもらう予定はない。おきなは小さいため、かぐや親機で落下後の機体を撮影できるかは分からないという。 【関連ニュース】 ・ 〔宇宙の写真〕「かぐや」の観測を基に作成された月面地形図