背景 麻雀の上がり(和了)において点数計算が必要となるが,それに欠かせないのが与えられた手牌をブロック(和了形)に分解するアルゴリズムである.ある手牌が複数のブロックへの分解に対応する場合があり,その中から最も点数が高くなるブロックへの分解を採用する必要がある.このことから,手牌からブロックへの分解は一筋縄ではいかない.本稿では,与えられた手牌をブロックに分解するアルゴリズムについて,大まかに4種類の方針があることを示し,これら4種類の方針が全て等価であることの数学的に厳密な証明を与える. 本稿で取り扱う問題の数学的定義 順子全体の集合,すなわち数字が3つ連続した数牌の集合を $S$ とおく. $$S = \lbrace (i, i + 1, i + 2) \ |\ 0 \leq i < 7 \vee 9 \leq i < 16 \vee 18 \leq i < 25\rbrace$$ 刻