飲酒量が少ないほど病気のリスクは下がる―。厚生労働省は今年2月に公表した初の指針「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」で「お酒は少量なら飲んだ方が体に良い」との考えを否定し、少量でも発症リスクが上がる病気があることを強調した。近年充実してきた国際的な研究を重視した結果。体への影響は性別や年齢などによって差があるため、自分に合った飲み方を知ることが重要だ。 ▽適量はない 「酒は百薬の長」と、国内では適度の飲酒を積極的に評価する考え方が長く受け入れられてきたが、指針は飲酒のリスクに注目した。「飲酒量が少ないほどリスクは低くなる」とする世界保健機関(WHO)や国際的な研究報告に触れた上で、酒量の把握には単純な量でなく、純アルコール量に着目すべきだとした。 心臓血管系の病気については、少量の飲酒は全く飲まない場合より死亡率が低いとの報告もあった。しかし近年、少量でも悪影響があるとの研究報告が増