ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (24)

  • 世代間のフェイク・ニュース - 経済を良くするって、どうすれば

    肺がんとライター所持の間に密接な関係があるからと言って、がん対策でライターを撲滅したりはしない。真の原因は、喫煙であり、ライターは喫煙の反映でしかないからだ。では、世代間に損得があるからといって、給付と負担を是正することは正しいのか。実は、損得の原因は、給付と負担ではなく、少子化にある。つまり、財政当局系の人に多い、「世代間の不公平を是正するために負担と給付を見直せ」という主張は、フェイク・ニュースということになる。 ……… 世代間の損得は、賦課方式という世代間の支え合いの制度の中で起こる。賦課方式は、親への給付を子の負担で賄い、その子の給付を孫の負担で賄うという連鎖だ。公的年金が典型だが、医療保険も、医療費の1/3を後期高齢者が占めるので、ここにも賦課方式の要素がある。この賦課方式では、長寿化や給付増で得、少子化で損という現象が起こる。もし、長寿化だけなら、すべての世代が得をして、損する

    世代間のフェイク・ニュース - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2017/05/07
  • 2017年度はスキあらば緊縮予算 - 経済を良くするって、どうすれば

    2016年度の大規模な緊縮財政は、無残であった。この反省なくして、2017年度予算は語れまい。財政再建は大事だが、一歩ずつ進めるべきで、2016年度のような「一気に緊縮、景気の陰り、反動でバラマキ」をしていたら、財政も、経済も、社会も、おかしくなってしまう。日の財政の問題は、赤字や膨張ではなく、緊縮至上の無謀な独善にある。頑なに全体を見ようとせず、面前の課題だけに拘る有様は、この国の宿痾なのか。 ……… 2016年度当初は、国、地方、年金の総計で-5.8兆円の緊縮であった。2014年度の-4.4兆円、2015年度の-7.9兆円に連なる、3年続きの野心的な再建策だった。しかし、予算編成時の2015年12月頃には輸出の失速が表れており、10-12月期、翌1-3月期の景気低迷ぶりに慌てることになる。そこで早々に景気対策が叫ばれ、2次補正で2.8兆円の建設国債を追加し、緊縮は-3.1兆円へと変わ

    2017年度はスキあらば緊縮予算 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2016/12/25
  • 補正により3兆円の緊縮財政に - 経済を良くするって、どうすれば

    8/24に補正予算案が閣議決定され、各紙には財政規律への懸念が並んだ。しかし、2016年度は、5.8兆円の緊縮財政を予定していたのであり、これが3.1兆円に緩和されただけのことだ。すなわち、財政を締め過ぎて景気が低迷し、慌てて緩めようとするもので、またしても、日の得意技・財政ストップ&ゴーの発動だ。こうした無計画さ、不安定さが、企業の投資意欲を殺ぎ、成長を阻害するのである。 ……… コラムで以前に書いたとおり、2016年度は、前年補正で0.4兆円、当初予算で2.4兆円、地方財政で0.8兆円、厚生年金で1.2兆円、日銀の積立てで0.9兆円の計5.8兆円、名目GDP比で1.1%超の緊縮財政を予定していた。日は、2014~16年度の3年間、GDP比で平均1.2%もの緊縮財政の重荷を背負わせてきたのだから、2015年以降、ほとんど成長できていないのも仕方あるまい。 日の潜在成長率は0%台前

    補正により3兆円の緊縮財政に - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2016/08/28
  • アベノミクス・成功と失敗と - 経済を良くするって、どうすれば

    評価には基準がいる。経済運営は、成長させたら成功、できなければ失敗で良かろう。そうであれば、アベノミクスの評価は、1.6%成長の2013暦年は成功で、ゼロ成長の2014暦年は失敗となる。何が良くて、何がダメだったのか。浜田宏一先生が「アベノミクス経済学」の書と位置づける『世界が日経済をうらやむ日』を手元に置きつつ、少しばかり考えてみたい。 ……… 新著の内容は、端的に言えば、大胆な金融緩和がいかに景気浮揚に有効かを説明しようとするものだ。基は、「期待に働きかけ、投資を促す」というものだが、これには議論も多いところだろう。もっとも、金融緩和が通貨安と資産高をもたらし、それが輸出増や消費増を引き出して、この需要により設備投資や雇用が創られるというのであれば、賛同者は、かなり増えるに違いない。 こういう効果があって、2013年は1.6%成長を実現したわけだが、野田民主党政権下の2012年でも

    アベノミクス・成功と失敗と - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2015/03/01
  • 2015年度予算はいつもの緊縮財政 - 経済を良くするって、どうすれば

    経済成長の加速には、好循環が欠かせない。日は、いつも巡航速度に乗る前にブレーキをかけ始めるから、デフレにくすぶり続けている。今年も、補正で0.8兆円、予算で4.4兆円、地方で1.2兆円、年金で約0.5兆円、合計6.9兆円もの収支改善が行われる。今回も、まったく同じバターンが繰り返される。 ただし、今年に限っては、原油安の天恵がある。これが緊縮財政を相殺し、ゆるゆると回復してくれたら、ありがたい。昨年は、一気の消費増税という危険な行為をしたが、すんでのところでデフレスパイラルには陥らず、マイナス成長で済んだのは、強運だった。最善を尽くさなくとも、運で勝ち進んでしまうということは、世の中にないわけではない。 ……… 2015年度の政府予算案では、4.4兆円の公債金減額が行われる。来なら、GDPの1%近い収支改善を聞いて、デフレ圧力の大きさに脅威を感じなければならない。殊に、日経済の潜在

    2015年度予算はいつもの緊縮財政 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2015/01/18
  • 2014、15年度の税収予想 - 経済を良くするって、どうすれば

    7-9月期のGDP速報で最も衝撃的な事実は、反動減が民間消費を押し潰し、増税の所得減の効果と合わせて、トレンドから13兆円もGDPを落としてしまったことだ。余りの犠牲の大きさに、一気増税の愚かさから目が覚めなければいけないはずだが、世の中の認識は、ちっとも変わらないみたいだね。 政府も日銀も消費増税の反動が和らいでいるという認識のようだが、7-9月期の民間消費の0.4%増はトレンドより弱いくらいで、反動減は戻らずに終わったと認識せねばなるまい。まあ、枠組がないと、認識ができない典型だね。1997年と違い、トレンドが折れていないのは、不幸中の幸いだったが、それをもって回復とは、おかしかろう。 ……… 数字を読まない世の中に代わり、今日も、つまらん数字を追うことにしよう。来年度予算の税収はいかほどかである。財政再建派の人に限って、こういう数字は気にせず、当局のものを鵜呑みにするが、当に心配な

    2014、15年度の税収予想 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/12/21
  • 凄まじい消費増税の破壊力 - 経済を良くするって、どうすれば

    一気の消費増税の問題性を疑わず、増税を上手くこなせるか否かが総選挙の争点だとは、残念だね。「異次元緩和もやった、5兆円の補正予算も組んだ、投資・法人減税の成長戦略も打った。それでも、一気の消費増税という愚策は、どうにもならなかった」との認識には、なかなか至らないものらしい。 この認識に立てば、2年後の2%アップも無理筋となるし、金融緩和の行き過ぎや成長戦略の乏しさを批判することは、何の解決にもならない。一気の消費増税で、リーマンショックや大震災を超える過去最大級の打撃を経済に与え、1年前よりGDPを1.2%も縮小させてしまったのだが、そういう事実は、まったく目に入らないようだ。 それほどまでに、「危機的な財政状況なのだから、いかなる緊縮も正しいはず」という信念は強固なのだろう。正しさにも程度の問題があるものを、この信念の下では、どんな悲惨な現実も、避けられているはずの財政破綻と比較すれば、

    凄まじい消費増税の破壊力 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/11/24
  • アベノミクス・ゼロ成長状態で雇用に峠 - 経済を良くするって、どうすれば

    消費増税以降、月に1回、レポートして来たが、11月は「雇用にも異変」と書くことになりはしないかと、内心、恐れていた。実際、有効求人倍率の季節調整値は、前月から0.01減の1.09倍と、3年4か月ぶりの低下となり、6~8月の1.10倍の高原状態から、とうとう下降に転じた。わずかな変化に止まり、「異変」とまでは言えないが、ここで踏み止まるかどうかの分岐点に至った。 ……… 最近の動きは、有効求人数の「除くパート」の季節調整値が分かりやすい。減り始めは6月の前月比-0.2で、7月-0.3、8月-0.6、そして、9月は-1.2と、マイナス幅が拡大してきた。今月は新規求人倍率が上昇して1.45倍の最高値となったが、求職数の減少によるところが大きい。残念だが、雇用の正規化への動きには陰りが差している。 他方、労働力調査の季節調整値を見ると、雇用者数の前月からの増減は、5月の21万人から、6月14万人、

    アベノミクス・ゼロ成長状態で雇用に峠 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/11/06
  • 消費税8%体制での成長率 - 経済を良くするって、どうすれば

    これでは消費は伸びまい。10/17に毎月勤労統計の確報があり、大きめの下方修正があった。実質賃金指数の前年比は、0.5下がって-3.1%となり、再び-3%を割り込んだ。7月に、ボーナスアップで-1.7%まで縮めていたのに、元のもくあみである。これで、常用雇用の1.7%増を勘案しても、マイナス圏へ落ちたことになる。こうした下方修正は、追加集計された中小企業における苦しさを物語る。 しかも、8月は、まだボーナスの影響が残っているので、9月になると、実質賃金のマイナスが更に開く可能性が高い。消費の低迷で物価が弱含んでいるため、上昇率の低下で実質賃金が押し上げられることはあるにせよ。他方、所定外労働時間は、季節調整済指数の前月比が-1.4%も下がって、5か月連続の減となった。また、頼みの綱の常用雇用は、6月に0.3%増だったものが、7月0.2%、8月0.1%と、低下の一途である。 ……… 今日の日

    消費税8%体制での成長率 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/10/19
  • アベノミクス・V字回復の瓦解 - 経済を良くするって、どうすれば

    日経は、半月前、7-9月期について、消費が6月の水準を保つだけで前期より高まる「ゲタ」を履いているとして、読者を元気づけていたが、7月の家計調査の実質季節調整済指数は、前月比で-0.2の低下となり、基調を示す「除く住居等」は-0.8にもなった。コラムの警告どおり「ゲタ」は割れ、多くのエコノミストのV字回復への期待は、半月もたずに瓦解した。 7月の鉱工業生産指数は、投資財の特定要因の押し上げで、わずかに生産がプラスになっただけで、在庫は前回不況時に匹敵する水準にまで達し、年内は生産調整が続くことが避けられなくなった。それどころか、消費財の生産・出荷は、未だ下がり続けており、8月の鉱工業生産は悪化する恐れが高い。デフレスパイラル勃発の崖縁に立つ、不穏な情勢にある。 ……… まずは、家計調査の図から見ていただこう。7月は見事にお辞儀をしている。これから発表される消費総合は強めに出がちだが、供給

    アベノミクス・V字回復の瓦解 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/08/31
  • 経済停滞の構造・税と社会保険料 - 経済を良くするって、どうすれば

    4-6月期の家計消費は、仮想的な支出である帰属家賃を除くと、前期比-6.2となり、1-3月期の+2.4の2倍から更に-1.4も低いという落ち込みぶりだった。こうなると、落ち込みは反動減だからとは、誰も言い訳できず、消費増税が大打撃を与えたと認めざるを得ない。雇用者報酬の前期比は-1.8だったから、これでもマシだったかもしれない。 これほどの落ち込みは、政府も、マスコミも、そして、多くのエコノミストにとっても、想定外だったようだが、「物価が上がれば、需要は減る」という経済の原理は、今回についても、たがうことなく働き、「増税すれば、将来への安心感から消費は増える」という、都合の良い幻想を打ち砕いた。 想定外は、アンケートに「想定内」と答えていた経営者にとっても同じだったようだ。その証拠は在庫の急増であり、消費の落ち込みが見込みを超えていたことを示している。ただし、これには同情の余地がある。純増

    経済停滞の構造・税と社会保険料 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/08/18
  • アベノミクス・消費が死んだ もう立てない - 経済を良くするって、どうすれば

    今回の家計調査の結果で判明したのは、消費の惨憺たる状況だった。これは反動減の大きさを言っているのではない。消費増税によって、勤労者世帯の実質実収入の低下が前期比で-4.0にも達し、消費は今年度内に駆け込み前の水準には戻らないことが確定的になったのである。今年度はマイナス成長を覚悟しなければならない。残念ではあるが、もうアベノミクスは立ち直れまい。 ……… 現在の消費の落ち込みが反動減に過ぎず、これから戻って来るか否かは、消費性向を見れば分かる。分母の収入は安定しているので、駆け込みで分子の消費が伸びると消費性向は上がり、反動減で下がり、結局は元へ戻る。実際、10-12月期に75.1だった消費性向は、1-3月期に79.0になり、4-6月期には73.1になった。だから、あと2.0ポイントくらいは、消費の戻りが期待できる。 問題は、この半年間に、勤労者世帯の実質実収入が-4.0も落ちていることだ

    アベノミクス・消費が死んだ もう立てない - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/08/04
  • 7/4の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経は、「法人減税の財源綱引き、税収上振れ1.6兆円、剰余金1.4兆円」というのがおもしろいね。税収の上ブレの要因分析が記者にできるとは思えないから、税収上ブレのうち、法人税0.3兆円と所得税0.3兆円の計0.6兆円だけがアベノミクスによるという図式は、財政当局からもらったものなのだろう。 こうして議論の土俵は作られるわけで、この範囲で1%だけ法人税を下げましょうという意図が透けて見える。理屈だけで言えば、前年度決算額からの法人税の増収額7400億円がアベノミクスの成果のような気もするが、政治は理屈ではないからね。理屈はともかく、先に土俵を作った者が勝ちだ。 それより、法人企業の経常利益が25%増なのに、法人税収が前年度決算比7.5%増だけというのが謎だ。その差額の1.3兆円は企業に残ったはずで、これだけ手元資金を増やしてあげた上に、0.4兆円も上ブレした1.2兆円の復興法人税も廃止

    7/4の日経 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/07/04
    この状況での法人税減税について。
  • アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば

    5月の家計調査について、ロイターの事前予想は、前年同月比の中央値が-2.0%、最小値でさえ-4.0%だったところ、一昨日の結果は-8.0%にもなった。誰も考えなかったほど大幅な「想定外」の落ち込みである。しかるに、財務相は公表後の記者会見で「想定内」。アベノミクスが危殆に瀕しても、泰然として国民を安んじようという配慮なのかもしれない。田内閣参与は、実質賃金の低下を憂慮しておられるようだからね。 さすがの日経も、昨日は「所得目減りが消費に重荷、物価高に賃金及ばず」として、もはや「想定内」の文字はない。コラムは、先月の家計調査の公表の時、既に所得の低下に警鐘を鳴らしていたし、消費増税の幅が大き過ぎて春闘の賃上げでカバーできないことは、それ以前から繰り返し指摘してきた。起こって当然のことが現実化しているわけだが、アベノミクスの想定シナリオは、確か「増税を賃上げで乗り越える」ではなかったか。

    アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/06/29
  • アベノミクスから醒めるとき - 経済を良くするって、どうすれば

    また夢で終わるのかね。サッカーW杯16強突破ではなく、日のデフレ脱出の話である。4月の家計調査は、それほど重苦しい結果だった。駆け込みの反動で消費が落ちたことを気にする必要はないが、今後の消費を占う実質「実収入」の季節調整済指数が前月から-3.6も低下したのは重症だ。低下幅は東日大震災時の2011年3月と変わらないほど大きく、水準はこの時の97.0を大きく下回る94.7にまで落ちた。こんなに「実収入」が落ちてしまって、消費が反動減を取り戻せるのか、夢に酔えぬほど数字は厳しい。 (図1) ……… 消費は収入次第というのは誰でも分かる理屈で、勤労者世帯の実収入と消費支出がパラレルに動いていることは一目瞭然だろう。2013年春には、雇用の底入れで消費が上ブレしたが、収入増が追いかけ、消費の反動減も出て、元の割合に概ね戻っている。つまり、消費増税の駆け込みと反動で消費の基調が見えない中で、収入

    アベノミクスから醒めるとき - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2014/06/01
    もろもろの数値から見る危うさ。
  • 法則の異変と神の見えざる手 - 経済を良くするって、どうすれば

    法則はデータから導かれなければならないが、経済学では、そうした傑出したデータに、なかなかお目にかかれない。その貴重な一つに、赤羽隆夫先生が見つけた「家計の消費率は一定」という「法則」がある。具体的には、「家計調査において、非料消費が実収入に占める割合は、30年の長きにわたり一定だった」という事実によるものだ。このファクツ・ファインディングには、伊東光晴先生も非常に高い評価を与えている。 このことは、マクロの消費率ないし貯蓄率は、個人レベルでの選択の傾向性、すなわち、ミクロ的基礎では決まらないことを意味する。例えば、多くの人が少子化に備えて、一斉に貯蓄率を高めようとしても、それを引き下げてしまう「神の見えざる手」が働くということなのである。むろん、ミクロの行動に立脚するライフサイクル仮説などの消費理論も土台が揺らぐことになる。 ……… まずは、データを見ていただこう。青線で一定を保つ「非

    法則の異変と神の見えざる手 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2013/12/22
  • 家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、公表された10月の家計調査の基調の悪さには愕然とした。季節調整済実質指数の「除く住居等」は、-3.0の97.5まで落ちていた。これは昨年秋の最悪期を下回るレベルである。既に公表されていた10月の消費者態度指数の急激な低下に沿った結果となった。これで4ヵ月後には消費増税が来ると思うと、気分が暗くなる。世間は、株価の年初来最高値に沸いているだけに、孤独を感じるよ。 7-9月期の家計消費の低迷は、円安の浸透による物価上昇で名目実収入の伸びが削り取られていることにあったが、この傾向が続いていると考えられる。確かに、所得と雇用は少しずつ良くなってはいるが、その分だけ、円安を転嫁する値上げが可能になっているのだろう。11月の東京都区部のCPIからすると、こうした状況は、まだ続くと思われる。 今回の家計調査の特徴は、自動車と住居の消費は伸びていて、それらを含む実質指数では、前月比横バイを維持できた

    家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2013/12/01
    10月の家計調査と今後への不安。
  • 危惧が的中した7-9月期GDP - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、公表になった7-9月期GDPは、筆者の予想どおり、相当に悪い内容だった。表面的には実質年率で1.9%成長だが、在庫の急増という要因を除くと、0.4%成長になる。ゼロ%台の成長もあり得るとしていたから、まあ的中と言って良かろう。在庫は、消費が悪い結果として伸びるとは思っていたが、その大きさを事前に読むのは、困難な項目であり、2次速報で大きく変わる可能性もある。 民間消費は、実質の前期比で0.1%増であった。筆者は、これでもまだ高い方だと思っている。GDPを占う消費総合指数は感応度が低いためにプラスだが、家計調査は既にマイナスになっているからだ。消費の不振は、雇用者報酬が-0.6%と落ち込んでいることによる。賃金が上がらない中で、円安による物価高の浸透が実質値を下げている。 前にも書いたが、今年前半の経済の好調は、外国人の旅行者増と日人の海外旅行からの国内シフトという円安メリットであり

    危惧が的中した7-9月期GDP - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2013/11/15
  • 政策の結果が変える歴史観 - 経済を良くするって、どうすれば

    「消費税・政と官との十年戦争」は、日経の政治部の手練である清水真人さんが書いたのだから、おもしろくないはずがない。深奥に迫る綿密な取材は、歴史を跡付ける貴重な文献ともなろう。むろん、消費増税という困難だが意義ある課題をいかに達成したかという、政治史の側から書かれている。その点は、将来、なぜ一気の消費増税という愚行を犯しのたかという経済史の観点で読まれるようになるかもしれない。 ……… このに登場する政治家や官僚は、「大幅な財政赤字にあり、高齢化で歳出の増大が避けられないとすれば、増税は必ず達成されねばならない課題となる」という、知的枠組(パラダイム)に支配されている。それゆえ、政治家の功名心や官僚の使命感の下、増税へと邁進する姿が描かれる。その知恵と駆け引きが一つの読みどころではある。 とは言え、歴史を顧みると、当然とされていたパラダイムが現実に合っておらず、悲劇を招いてしまった例も少な

    政策の結果が変える歴史観 - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2013/09/16
  • 国債の代わりに得るもの - 経済を良くするって、どうすれば

    いくらお金があっても、買うべきべ物がなければ、飢えてしまう。それが現実である。また、サービスはもちろん、モノでさえも、ほとんど保存が効かない。それは常識であっても、ひとたび、お金に置き換えられると、時間を超え、いつでも使えるように思えてしまう。今日は、そんな話をしてみることにしよう。 ……… 若者に職がなく、日々あぶれている中で、政府が国債を発行し、保育所の建設を始めたとする。雇われた若者には、給料が支払われ、自活が可能になる。養っていた親は、自活してもらえた分、負担が減って貯金ができる。実のところ、その貯金は、政府が国債で吸収しているのだが。こうして、世の中には保育所と職が生まれ、政府債務が残される。 こうした政府の「ムダ使い」は、若者にとって、損なのか、得なのか。日の財政当局は、政府債務の膨張は、将来の世代に負担を押し付けることだと主張し、緊縮財政を若者に焚きつけている。これは、筆

    国債の代わりに得るもの - 経済を良くするって、どうすれば
    machida77
    machida77 2013/09/08