さて,年の瀬もおしせまって参りましたがみなさまいかがお過ごしでしょう? 2023年が残すところあと4日なんて……不都合すぎる真実です.この年の瀬に発売というなかなかチャレンジングな新刊ですが,みなさまのおかげさまをもちまして,それなりに注目いただけているようです. さて,本日の話題はあいも変わらずの高圧経済論です.高圧経済論は好景気が生産性・生産能力そのものを向上させるという主張です.高圧経済の維持に財政・金融政策が必要(になることがある)ため誤解されがちですが--「高圧経済論」と「有効需要の原理」は全然違うロジックです.ここを混同しないで欲しい... 供給能力と総需要 有効需要の原理は,有効需要の増加が稼働率向上や失業率減少を通じて現実のGDPを上昇させるという論理です.そのため,「経済の供給能力に比べ,有効需要が小さい状況」にあることが前提になります. 一方の高圧経済論は,「供給能力に
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