→紀伊國屋書店で購入 ●「マンハッタンはどこまで完璧でありえるか」 「委員会が提案したマンハッタン・グリッド―――分割される土地は誰のものでもなく、そこに描き出される人々の群れは架空のものであり、そこに建てられる建物は幻影であり、その中で行われる活動は存在しない。」(p35) マンハッタンについて語ることにより、その隠れた戦略を暴き出し、自家薬籠中とすることにより、再びマンハッタンを構築すること。それがこの本の目的である。著者レム・コールハースは特異な建築家である。20世紀のモダニストが自らのイデオロギーを基に方法論を展開し、明晰なマニフェストを提示しながらも創作を展開していたのに対し、レム・コールハースは自らのイデオロギーを決して語ることなく、また自己の創作の方法論を明確に提示することもなく、ただマンハッタンの生成プロセスを語ることによってのみ、自らの創作の根拠を世の中に提示しようとする