ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (867)

  • プーチンが語り始めた「ロシア崩壊」の脅しは核より怖い?

    ナチスドイツの攻撃を受けたスターリングラード(1942年、写真はイメージです) Everett Collection-shutterstock <11の時差にまたがる広大な領土が政治的な空白地帯になると、キッシンジャーも警告> ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はここ数カ月、前任者のドミトリー・メドベージェフとロシア連邦の崩壊について話し合ってきたと、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の元顧問が語った。 ゼレンスキーの元顧問、オレクシイ・アレストビッチは2月27日、ロシアの弁護士・元反体制派政治家のマルク・フェイギンが運営するYouTubeチャンネル「フェイギン・ライブ」のインタビューで、ウクライナの最新の戦況について聞かれ、ロシアは全面的な敗北も視野に入れていると述べた。 その証拠として挙げたのが、メドベージェフとプーチンの最近の発言だ。現在はロシアの安全保障会議の副議長を

    プーチンが語り始めた「ロシア崩壊」の脅しは核より怖い?
    maniwani
    maniwani 2023/03/02
  • プーチンのおかげで誰もが気付いた、「核兵器はあったほうがいい」

    <平和を維持してきたNPT(核拡散防止条約)が、独立後に核武装と決別し、主権と領土の保全を保障されたはずのウクライナへのロシア軍侵攻により、有名無実になった。これから核武装を目指す国は増えるだろう> ロシアウクライナに対する軍事侵攻が世界に、そして人類の未来に及ぼす最も深刻な影響は何か。少なくともその1つは、核拡散防止条約(NPT)の存在意義を根から否定しかねないことだ。 2014年のソチ冬季五輪後にロシアが力ずくでウクライナ領の一部(クリミア半島など)を奪い取ったことで、核兵器の拡散を防いで世界を守るというNPTのロジックは覆された。 ウクライナにはかつて核兵器があったが、1994年のNPT加入に当たり、全てを手放した。そこへロシアが攻めてきた。これではまるで、NPTは弱小国を無力化し、核武装国の餌にするための条約に見えてしまう。 実際、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年2

    プーチンのおかげで誰もが気付いた、「核兵器はあったほうがいい」
    maniwani
    maniwani 2023/03/01
  • 不自然に多い、中国漁船の「うっかりケーブル切断」事故の謎

    「砂の採取」で海底ケーブルが切断される例も多い(スリランカ沖で土砂を取り除く中国の船) ATUL LOKEーBLOOMBERG/GETTY IMAGES <2月上旬、中国沿岸から20キロ足らずの台湾・馬祖列島と台湾島を結ぶ海底ケーブルが2切断。通信インフラを狙ったグレーゾーン攻撃か?> アメリカが気球を警戒して空を見上げている間に、中国は海で行動を起こしていたようだ。2月上旬、中国の沿岸から20キロ足らずのところにある台湾の離島、馬祖列島と台湾島を結ぶ海底ケーブルのうち2が切断された。 2月2日に中国籍の漁船が、8日にもやはり中国籍の貨物船が、馬祖列島の近くを航行中に切断したとみられる。2目の直後に台湾の国家通信放送委員会(NCC)の翁柏宗(ウォン・ポーツォン)副主任委員兼報道官は記者団に、意図的であることを示すものはないと述べた。 確かに海底ケーブルが損傷すること自体は珍しくな

    不自然に多い、中国漁船の「うっかりケーブル切断」事故の謎
    maniwani
    maniwani 2023/02/28
  • 「アメリカは助けに来ない」──すでに中国の「認知戦」が効果を挙げる台湾の打つ手とは?

    <訪中した政治家、実業家、芸能人が台湾の大手メディアを買収し、中国共産党の宣伝機関に。事実や論理を心理戦に持ち込む中国の「認知戦」との闘い、そしてアメリカとの信頼の再構築> ロシアウクライナ侵攻で、東アジアの警報が作動した。もう1つの拡張主義的な超大国、中国台湾に対する軍事的脅威が高まっている。 とはいえロシアの苦戦を目の前にして、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席はおじけづいているに違いない。 中国軍はロシア軍より資金豊富で、現代化が進んでいる印象だが、実戦経験は皆無で腐敗し切っている。さらに、アメリカとその同盟国はインド太平洋防衛の決意を強めており、台湾侵攻は勝ち目のない選択肢になりつつある。 しかし、中国台湾に別種の攻撃を仕掛けている。世論の誘導を狙う認知戦だ。 この作戦は着実に成功している。昨年11月の台湾統一地方選で、親中派の国民党率いる青色陣営が、蔡英文(ツァイ・イン

    「アメリカは助けに来ない」──すでに中国の「認知戦」が効果を挙げる台湾の打つ手とは?
    maniwani
    maniwani 2023/02/21
  • 女子の顔を黒のスプレーで塗り「お前は奴隷」...米高校の凄惨「いじめ」が動画で発覚

    <今月が「黒人歴史月間」であることまで差別といじめのネタにした白人生徒たちに対し、当局が調査を開始した> アメリカでは2月1日から3月1日までを、アフリカアメリカ人に敬意を表する「黒人歴史月間」としている。だがそのさなか、ペンシルベニア州の高校で撮影された白人生徒による女生徒への人種差別的な「いじめ」の動画や画像がインターネット上に複数出回り、当局が同州フィラデルフィアにあるセント・ヒューバート・カトリック高校(女子高)の生徒3人を調査する事態となった。 ■【動画】女生徒の顔をスプレーで黒く塗って大笑いする白人生徒たちの「差別いじめ」 学校側が動画の存在に気づいたのは、2月14日のこと。その後、問題の動画や画像は削除されたものの、その後も別のユーザーが撮ったスクリーンショットや録画がソーシャルメディア上に出回っている。 地元NBC10の報道によれば、ある動画には、白人の少女が別の少女の顔

    女子の顔を黒のスプレーで塗り「お前は奴隷」...米高校の凄惨「いじめ」が動画で発覚
    maniwani
    maniwani 2023/02/17
  • 中ロの領土的野心でアラスカが米本土防衛の最前線に

    ロシアの東端、アラスカの向かいに位置するチュクチ半島の集落。米ロ国境の間はわずか86キロしか離れていない Andrei Stepanov-Shutterstock <米軍が多くの基地を置き、外敵の接近を監視するための要衝でもあるアラスカは、同時にロシア中国から最も近いアメリカでもある。領土「奪還」を狙うロシア、北極圏へのアクセスを求める中国と新たな緊張が生まれる> 2月10日、米軍の戦闘機がアラスカ沖の上空で未確認物体を撃墜した。民間機の航行を脅かすおそれがあると判断したためだ。 この作戦は、中国のスパイ気球がサウスカロライナ州東部沖の大西洋上で撃墜されてからわずか6日後に実施された。その後も11、12日にカナダのユーコン準州とヒューロン湖上空で、相次いで2つの未確認物体が撃ち落とされた。 これらは中国ロシア両国とアメリカとの間で緊張が高まるなかで起きた出来事だ。アラスカ州はハワイも含

    中ロの領土的野心でアラスカが米本土防衛の最前線に
    maniwani
    maniwani 2023/02/16
    “元々はロシアの領土だったアラスカも取り戻すべきだと主張するロシア強硬派の声も聞こえるようになっていた。”
  • スコットランド独立に猛進した「雌ライオン」スタージョンが見誤った「真の民意」

    <「私は頭と心で後継に道を譲る時が来たと理解した」と、辞任を表明したスコットランド自治政府のスタージョン首相> [ロンドン]2度目の独立住民投票に突き進んできた英スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相が15日、緊急の記者会見を開き、辞任を表明した。世論の反対を押し切って性別認定証明書を取得しやすくするジェンダー改革を進めようとして足元をすくわれた格好だが、根には自分の任期中に独立の道筋が完全に閉ざされたことがある。 「スコットランドの雌ライオン」の異名を取るスタージョン氏は「私は首相になった当初から良い仕事をするには他の誰かに道を譲るべき時が来たら能的に自覚することだと信じてきた。たとえ国中の多くの人々や党員が早過ぎると感じたとしても、それを実行する勇気を持つことが大切だ。私は頭と心でその時期が今だと理解した」と心情を吐露した。 無念というより寂しさを漂わせる辞任会見だった。

    スコットランド独立に猛進した「雌ライオン」スタージョンが見誤った「真の民意」
    maniwani
    maniwani 2023/02/16
    “ジェンダー改革に反対する人は全体で54%もいた。”
  • 食事をしない若者が増えている、その深刻な背景

    <健康な生活の根幹である「」を、若年層の多くが節約のために疎かにしている> 日人のタンパク質の摂取量が1950年代と同水準になっているという(日経新聞WEB、2023年2月9日)。記事のグラフを見ると、2019年の1日の摂取量平均は70グラムほどで、戦後初期の頃と同じくらいだ。国の推奨値は超えているものの、良好な健康状態を維持するのに必要な目標値には届いていないとされる。 物価高に見舞われている2023年現在では、たんぱく質の摂取量はもっと落ちているだろう。肉や魚は値上がりし、安価な米や麺類でお腹を満たす人が増えているのではないか。炭水化物の摂り過ぎは肥満につながるので、栄養の偏りによる健康不良も懸念される。 偏を通り越して欠、すなわち事をしないという人もいる。2011年の総務省『社会生活基調査』によると、調査対象の平日に事をした国民(15歳以上)の割合は99.4%。裏返すと

    食事をしない若者が増えている、その深刻な背景
    maniwani
    maniwani 2023/02/15
  • 「昔のソビエト赤軍と変わらない...」さすがに「30万人」は大げさでもロシア軍を侮れない理由

    2023年2月5日、ウクライナ・ドネツク州のバフムート付近で、ウクライナ軍がドイツの「パンツァーハウビッツェ2000」を発射 Marko Djurica-REUTERS <訓練も装備も劣るが、どんなに激しい砲火を浴びてもじわじわ前進し、ひたすら人海戦術で粘り勝ちを狙う。ロシアの狙いは、西側の兵器が到着前に占領地を拡大すること> いよいよロシアの熊が押し寄せてきた。既に数十万の大軍がウクライナ東部のドンバス地方に集結している。圧倒的な砲弾の数と人海戦術で、ウクライナ側の防衛網を突破する構えだ。 前線では戦闘が激化している。昨年2月24日の侵攻開始から1年、大方の予想どおり、ロシア軍は今度こそ総力で東部を攻めてくるようだ。 「あの国の東部では何かが始まっている」と言ったのはエストニア外務省のヨナタン・フセビオブ次官。「とんでもない数のロシア兵が、前線に集まっている」 昨年9月に事実上の総動員が

    「昔のソビエト赤軍と変わらない...」さすがに「30万人」は大げさでもロシア軍を侮れない理由
    maniwani
    maniwani 2023/02/14
  • 日独の悲哀「敗戦国はつらいよ」

    <日ドイツも戦後長らく、戦勝国からの多大な圧力にさらされてきた> ドイツは1月25日、その工業力の華、「レオパルト2」戦車をウクライナに供与することを決めた。アメリカも「戦車M1エイブラムズを供与する」と表明したが、これでロシアから「主要敵」扱いされ、ウクライナ戦争調停の権利を失うこととなった。 戦車があれば戦局が変わるものでもなく、今回ロシア軍はウクライナから横流しされた対戦車ミサイル「ジャベリン」を持っているという報道さえあったのだが、供与を渋るドイツNATO内部で孤立。ロシアの天然ガスをドイツに輸送していたバルト海底パイプラインも爆破され、国内需要の実に40%以上の天然ガスを求めて世界中を走り回らされる羽目となった。 これを見て、「敗戦国はつらいよ」とつくづく思う。軍事力を低い水準に抑え込まれているから発言力は限られるし、道理を言っても、最後は戦勝国からの圧力でつぶされる。19

    日独の悲哀「敗戦国はつらいよ」
    maniwani
    maniwani 2023/02/11
    “今後の日本も、台湾有事などをめぐってアメリカから大変な圧力を受けるだろう。そのときの日本のラパッロ条約は、中国との提携ということになる。筆者は中国の集権体質が嫌いだから、そうならないでほしいし、”
  • 米NYで話題の「ピンク色のハト」...パーティーを盛り上げる「小道具」にされた末に死亡

    <赤ちゃんの「性別発表パーティー」に使うため全身をピンクに着色されたとみられるハトが保護され、人々の注目と同情を集めていた> 米ニューヨーク市で、全身がピンク色のハトが発見されて話題になっていたが、このハトが2月7日に息絶えたことが分かった。当然、この色は人為的に着色されたものであり、どこかの家族が生まれてくる赤ん坊の性別発表パーティーに使った可能性が高いと見られている。その際にハトが、染料の毒素を大量に吸い込んだことが死因とされている。 ■【写真】ニューヨークで見つかった全身ピンク色のハト/さまざまな性別発表パーティー このハトを保護し、フラミンゴと名付けた野鳥保護団体「ワイルド・バード・ファンド」は7日、「とても悲しい報告だが、私たちのかわいいピンク色のハト、フラミンゴが息絶えた」と発表した。 ガーディアン紙によれば、生後1年未満とされるフラミンゴは、命を落とす前の週、マンハッタンのマ

    米NYで話題の「ピンク色のハト」...パーティーを盛り上げる「小道具」にされた末に死亡
    maniwani
    maniwani 2023/02/11
  • 南米2大国の「共通通貨」構想...チラつく中国の影と、国際情勢における意味を読み解く

    <現実的に共通通貨の創設は困難だとしても、米中対立と経済ブロック化が進む中で持つ意味合いは軽視すべきでない> 南米ブラジルとアルゼンチンが、両国に通用する「共通通貨」の創設に向けて協議を開始した。アルゼンチンのインフレ率は90%を超えており、実現は困難との声は強い。実務的にはそのとおりだが、両国の動きは国際金融や国際政治に微妙な影響を与えそうだ。 ブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領(写真左)とアルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領(同右)は首脳会談で、両国の共通通貨「スール(仮称)」の創設に向けて協議を始めることで合意した。 ブラジルの通貨はレアル、アルゼンチンの通貨はアルゼンチン・ペソだが、新通貨は両通貨を完全に置き換えるのではなく、既存通貨を残したまま、共通通貨を発行する。新しく発行される通貨は日常的な取引には用いられず、両国が加盟する「南米南部共同市場(メルコス

    南米2大国の「共通通貨」構想...チラつく中国の影と、国際情勢における意味を読み解く
    maniwani
    maniwani 2023/02/08
  • 中国にリスク覚悟で「偵察気球」を送らせた3つの対米不満

    Spy balloon signaled China's displeasure over three issues: Stavridis <中国がブリンケン米国務長官の訪中前のこのタイミングであえてリスクを冒したのは、アメリカのインド太平洋戦略に憤りを募らせていたからではないか、と米海軍の元大将は言う> 中国アメリカ土上空で偵察用気球とみられるものを飛ばした狙いは、アメリカのインド太平洋戦略に対する不快感を表明することだったのかもしれない――米海軍の元大将であるジェームズ・スタブリディスが、このような見方を示した。 問題の気球は、2月1日にモンタナ州ビリングスの上空を飛行しているのを発見され、アメリカの国家安全保障に対する不安の声が高まった。気球は国際法上、航空機に位置づけられており、許可なくアメリカの領空に侵入するのは国際法違反であり、アメリカの領空侵犯にあたるためだ。気球はその後

    中国にリスク覚悟で「偵察気球」を送らせた3つの対米不満
    maniwani
    maniwani 2023/02/07
  • スウェーデンを翻弄するトルコ...NATO加盟「拒否権」持つ以上、絶対優位は揺るがない

    コーランを燃やす活動家のラスムス・パルダン(1月21日) FREDRIK SANDBERGーTT NEWS AGENCYーREUTERS <スウェーデンが直面しているのは、自らの価値観を裏切ることなく、国家の安全保障にとって必要不可欠なNATO加盟という目的を果たさねばならないという難題だ> スウェーデンの首都ストックホルムにあるトルコ大使館の前で1月21日、スウェーデンとデンマークの国籍を持つ活動家のラスムス・パルダンがイスラム教の聖典コーランを燃やすデモを行った。スウェーデン政府は従来より、表現の自由は憲法で保障されており、暴力やヘイトスピーチの扇動は許されないものの、人々が公に自分の意見を表明する広範な権利を与えている、というスタンスを取っている。 トルコ外務省はこのデモを反イスラム的なヘイトクライムだと非難し、表現の自由を口実にこれを許可するのは容認できないという声明を出した。 両

    スウェーデンを翻弄するトルコ...NATO加盟「拒否権」持つ以上、絶対優位は揺るがない
    maniwani
    maniwani 2023/02/07
    “両国の価値観の相違は明白だ。それはコーラン焼却を表現の自由として許容するか、冒瀆として禁じるかの違いだけではない。個人の行動を国家が「検閲」することの是非においても異なる。”
  • 韓国戦車が欧州の戦場を埋め尽くす日

    <大型契約を結んだポーランドに各国が追随、武器供給をドイツに頼る時代は過ぎ去った> ロシアの侵攻を受けているウクライナへの支援で、今もドイツは世界で4番目の貢献度を誇る。ところがオーラフ・ショルツ首相は、自国の主力戦車レオパルト2のウクライナへの供与を、ずいぶんとためらった。この一件をめぐっては、供与が決まった後も論議が続いている。 ヨーロッパの近隣諸国にとってドイツは、長いこと兵器調達の頼れるパートナーだった。だが今回の件は、周辺国の信頼を揺るがせた。ショルツが言い訳を並べて決断を先送りしたことで、ドイツ政府は優柔不断だというイメージが生まれ、近隣諸国は兵器の調達先として他の選択肢を探し始めている。 特に大きな懸念を抱いているのが、ロシアの脅威にさらされている国々だ。ここ数週間のドイツの弱腰を目の当たりにして、地上軍の主力装備をドイツに頼るのは賢明なのかという疑問が浮上している。 そうは

    韓国戦車が欧州の戦場を埋め尽くす日
    maniwani
    maniwani 2023/02/07
    “今後は多くの国がポーランドに倣い、ヨーロッパの安全保障を臆病なドイツの「人質」に取られるよりも、戦略上の柔軟性や国内経済の強化をもたらす国と新しい関係を結ぶことを選ぶかもしれない。”
  • 次の決戦の場は北極圏か?──ロシアが狙うカナダと北欧諸国への牽制と全面対決への備え

    予備役を招集した氷点下での大規模演習(昨年1月、ミシガン州グレイリング) CAPT. JOE LEGROS/U.S. ARMY <天然ガスの宝庫である北極圏。そこで軍事的プレゼンスを強めるロシアに対し、アメリカも負けじと積極姿勢を見せている。もはや2022年以前の北極圏には戻れない理由とは?> この1月、日中でも氷点下のいてつく演習場でアメリカ各地の州兵(連邦軍の予備役)が大規模な砲撃訓練を行った。 初めてのことではないが、今年はヨーロッパからラトビア軍の兵士も参加した。ロシアウクライナ侵攻が始まって1年、北方でもロシアとの緊張が高まり、武力衝突に発展する恐れがあるからだ。 演習はミシガン州北部のグレイリングで1月20日から29日まで実施され、予備役を統括する陸軍大将ダン・ホカンソンが指揮を執った。 今のアメリカは北極圏の防衛態勢を一段と強化している、と語るのは米シンクタンク北極研究所の

    次の決戦の場は北極圏か?──ロシアが狙うカナダと北欧諸国への牽制と全面対決への備え
    maniwani
    maniwani 2023/02/07
  • 動物園のクマの四つ足切断──「足のあるものは机以外、何でも食べる」中国人の「口福」と逆襲

    <高級漢方薬のためにアフリカのロバが乱獲に遭い、動物園のクマの四つ足が切断される。新型コロナウイルスから人間が歴史を謙虚に学ぶとき> 「中国人は足のあるものは机以外、何でもべる」と言われる。これは冗談ではなく実話である。 先日、「中国で阿膠(あきょう)の需要が増大しアフリカのロバが危ない」というニュースがネットで流れた。 阿膠は漢方薬で、中国で古くから美容・滋養の霊薬として金持ちや身分の高い層に愛用され、今でも高価で売られる人気の薬だ。その原材料であるロバの皮が中国国内で供給不足になり、アフリカのロバが乱獲の災難を被っているのだ。 中国の漢方には古くから、体の弱い部分をほかの動植物の同じ部分や似た形の部分で補う「以形補形(いけいほけい)」という考え方がある。 例えば胃腸や肝臓などの消化器系が弱い場合、熊胆(ゆうたん)という熊の胆嚢(たんのう)をべる。 昔は熊の胆嚢を乾燥させ漢方薬として

    動物園のクマの四つ足切断──「足のあるものは机以外、何でも食べる」中国人の「口福」と逆襲
    maniwani
    maniwani 2023/02/07
    “20年前に中国を席巻したSARS(重症急性呼吸器症候群)はその一例だろう。香港大学の研究チームは当時、中国・広東地方の人々が好んで食べる野生動物ハクビシンがSARSウイルスの発生源と疑われると発表した。”
  • 史上初に!? 台湾に急接近するチェコが「中国を恐れない」理由

    パベル(左)が蔡(右)に接近する狙いは? FROM LEFT: DAVID W CERNY-REUTERS, FABIAN HAMACHER-REUTERS <バベル新大統領が、中国と外交関係があるのに蔡英文に電話をした> チェコが台湾に急接近している。1月末、チェコ大統領選の決選投票で勝利したペトル・パべルは、その直後に台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と異例の電話会談を行った。 多くの国と同様、チェコは中国とは公式な外交関係にある一方、台湾との関係は非公式な経済的・文化的な結び付きに限ってきた。今回の電話は、こうした長年の関係からの転換ともいえる。 電話会談後のツイートで、パベルは台湾との「パートナーシップを強化することで合意した」とし、蔡との直接会談を期待するとも述べた。 専門家によれば、欧州の首脳が台湾トップと直接会談すれば、史上初のことになるという。 元NATO高官のパベルは

    史上初に!? 台湾に急接近するチェコが「中国を恐れない」理由
    maniwani
    maniwani 2023/02/06
    “中国とすれば経済制裁などで反撃に出たいところだが、中国とチェコの貿易関係は最小限で、チェコの対中輸出は全体の約1%しかない。”
  • 中国「スパイ気球」騒動と「U2撃墜事件」の奇妙な類似

    <既に悪化していた米中両超大国の関係はまた少し冷え込んだ> ブリンケン米国務長官は2月3日、予定していた中国訪問の延期を決めた。モンタナ州の核兵器施設に近い上空で、バス3台分の大きさの機器を積んだ中国の偵察気球が確認されたことを受けた措置だ。 【動画】米戦闘機F-22が中国の偵察気球を撃墜する瞬間 宇宙空間から詳細なデータを収集できるスパイ衛星に比べれば、高高度に浮かぶ気球は大したことがないように見えるかもしれない。だが、気球には利点もある。製造コストが安価で、何カ月も飛べる。予測可能な軌道を移動する人工衛星と違い、上空を「ぶらつく」こともできる。そして撃墜するのは意外と難しい。 かつては行き先は風任せという明白な欠点があった。だが、今は気流を利用して気球を一定方向に誘導できる。 それにしても、中国が重要な外交日程直前にこうした挑発に出るのは奇妙だ。特に今の中国はパンデミック後の対米関係修

    中国「スパイ気球」騒動と「U2撃墜事件」の奇妙な類似
    maniwani
    maniwani 2023/02/06
    “パイロットの拘束が判明する前、アメリカはU2機は気象観測用の航空機であり、誤ってソ連領空に入ったと主張していた。今回の中国の説明と不気味なほどよく似ている。”
  • DHCと虎ノ門ニュースが残した厄介な「右派市場」

    <保守系番組のスポンサーだったDHCが買収によって役割を終えても、同社が開拓した差別をもいとわない言論市場は残り続ける> 右派言論人の牙城として知られたネット番組、『虎ノ門ニュース』の終了がひっそりと発表された。この番組は、化粧品通販・健康品大手のDHCを親会社とする「DHCテレビ」が制作していた。DHC体は2022年11月、オリックスに約3000億円で買収されることが明らかになった。この発表と前後して、同番組を含む動画関連のサービスは終了告知がなされた。買収の影響があったことは想像に難くない。 同社はこのまま役割を終えるが、怪しげな言論を振りまいたメディアが名実共に勢いを持ったという事実は残る。この方法に学んだ人々が、新たなスポンサーと共に再現を目指すという可能性は決して低くない。 社名を冠したメディア企業の政治的スタンスは、一代でDHC体を急成長させた吉田嘉明会長兼社長の意向が強

    DHCと虎ノ門ニュースが残した厄介な「右派市場」
    maniwani
    maniwani 2023/02/04
    “彼の差別的発言に対し不買運動も起きたが、3000億円で買収されたことが示すように、彼の政治的スタンスがマーケットに与えた影響は大きくはなかったとみるべきだろう。”