最近の消費者物価は横ばい圏での推移となっており、夏頃まで着実に進んできた「デフレ脱却」の動きは足踏み状態にある。この背景としては、2014年に入り円安による押し上げ寄与が縮小したことや秋以降の原油価格の急落などが挙げられる。我が国では、デフレからの脱却が最重要課題の1つになっていることから、デフレ状況に再び戻ることがないよう、今後の物価動向を引き続き注視する必要がある。 ところで、そもそもの話として、我が国にとって重要な「デフレ脱却」とは一体何だろうか。個人的な見解にすぎないかもしれないが、「デフレ脱却とは?」、「デフレ脱却を宣言する場はどこか?」、「デフレ脱却と日本銀行の『物価安定の目標』の違いは?」といった質問全てに明確な回答を示せる人は少ないように思われる。正直に言って、筆者も1番目の質問については答えられるものの、残りの質問に対しては十分な回答を持ち合わせていない。 まず、「デフレ