西郷隆盛の西郷南洲遺訓はそれこそ500回くらい目を通している。というのも、僕の仕事PCのデスクトップの背景は西郷南洲遺訓だから。 そこに、こういう記述がある。 「総じて人は己れに克つを以って成り、自ら愛するを以って敗るるぞ。能く古今の人物を見よ。事業を創起する人その事大抵十に七八までは能く成し得れども、残り二つを終わりまで成し得る人の稀なるは、始めは能く己れを慎み事をも敬するゆえ、功も立ち名も顕(あらわ)るるなり。 功立ち名顕るるに随(したが)い、いつしか自ら愛する心起こり、恐懼(きょうく)戒慎(かいしん)の意緩(ゆる)み、驕矜(きょうきん)の気漸く長じ、その成し得たる事業を負(たの)み、いやしくも我が事を仕遂げんとてまづき仕事に陥り、終に敗るるものにて、皆自ら招くなり。故に己れに克ちて、賭(み)ず聞かざるところに戒慎するものなり。」(西郷南洲遺訓の20番) これは本当にそうだと思う。人間