角川書店編『古事記』角川ソフィア文庫 角川の「ビギナーズ・クラシックス」シリーズで、古事記を読んだ。いつもながら、武田友宏氏による現代語の通釈がわかりやすい。 イザナキとイザナミ、スサノオ、ヤマトタケルなどの有名な登場人物に加えて、「イナバの白ウサギ」「海幸彦、山幸彦」等のお話もなつかしかった。神と人が混じり合って物語が進むのは、ギリシャ神話『イリヤス』と似ている(ちなみに『イリヤス』はつまらなくて途中で挫折したが・・・)。 興味深かったのは、古事記が書かれた経緯である。 解説によれば、壬申の乱(672年)に勝利した天武天皇が、中央集権国家を確立するために、「軍隊と法律と史書」を整備しようとしたことがきっかけだったらしい。 「軍の中央統制と法の整備は急速に進んだ。兵器などのハード類や、先進の中国から導入できる律令などは、渋滞もなく着々と整備されていった。遅れたのは歴史書というソフトの編集で