シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 90年代後半、「インターネットマガジン」という雑誌に必ず綴じ込まれた大きな「地図」があった。A3版、もしかしたらA2版はあろうかという赤っぽい紙に記入されていたのは、インターネットのサービスプロバイダーの相互接続状況を示した、日本のインターネットの構成図そのものだった。その地図を見ることで、どのプロバイダーがどの程度の帯域の回線をどことつないでいるかわかり、どのプロバイダーが高速な通信を提供してくれそうか何となく想像が出来たものだ。 そんな日本のインターネットの地図の最新版(2007年3年版)が出たようだ。 インターネットサービスプロバイダー相互接続マップ(PDF版公開)通常版とサマリー版(AS番号取得ISP版)が用意されているのでそれぞれクリックしてみると面白い。
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 大成功する企業と言えども、必ずしも双葉より芳しいわけではない。SNSで有名なFacebookは創業期に地元の有力VCから出資を断られていた。 Facebookの創業者であるMark ZuckerbergらHarvard大学の学生は、創業資金を得るために地元ボストンの郊外に拠点を構える著名VCのBattery Venturesに投資の相談をしたが、Batteryからは断わられてしまっていた。最初の資金調達に失敗したわけだ。しかし、Facebookはその後も大きく成長し、昨年はYahooらと10億ドル(約1120億円)での買収の可能性が取りざたされたされるまでになった。この買収話は結局Facebookがこれを却下してベンチャーの道を続けることになり、2007年は売上高1
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 「アクティブなVCの数は6年間で半減してしまった」 こんなセンセーショナルなコメントを米国VCのOVPが掲載している。原文から一部引用させてもらうことにしよう。 In 2000, there were 1156 different venture firms that made at least one new deal. In 2006, there were only 597. This is more like a 50% drop, not just 15%! We think that is the big, so far unwritten, story. The US venture industry has been cut in half. Tha
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 仮想化ソフトウェアのリーディング企業、VMwareがIPOする。US$110億ドル(約1320億円)を公募で集めるらしく、2004年のGoogle以来の大型株式公開になるとか。 VMwareは98年創業、仮想化ソフトウェアの先駆的企業として注目を集めてきた。売上高US$704百万ドル(約840億円、2006年12月)、従業員3,000人、IPO時の想定時価総額9,251百万ドル(約1兆1,000億円)というから巨大だ。最近の米国株式市場は先行き懸念される状況だが、VMwareのIPOについては市場関係者からは強気の声が聞こえる。SanJose Mercuryの記事を引用するとこんな具合だ。 Despite the turbulent financial market
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 資本政策は増資を考えているVBには必須の概念だ。資本政策とは、資金調達と、資金調達によって影響を受ける経営権や株主利益等への影響とを総合的にプランニングすることだ。 増資によって資金調達すると新たに株式を発行することになる。新たに株式を発行すれば、その増資より前に発行されていた株式が増資後の株式全体に占める割合は、新しい株式を発行した分だけ少なくなる。増資前から株式を持っている株主は、増資によって持株比率が低下することになるわけだ。これを希薄化という。 例えば、ある人が100%自己資金で会社を創業しても、その後第三者の出資金を受け入れて株式を発行すると、その会社はもはや100%創業者のものではない。増資額が大きければ大きいほど創業者の持株比率は低下する。どんどん増資
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 投資家にとってバリュエーションは永遠の課題だ。ベンチャー企業に投資するときや売却するときは、株価を決めるために会社の価値を算定しなければならないが、これが容易な作業ではない。客観的なデータを出来るだけ多く集めて、論理的にバリュエーションをはじき出そうとはするものの、どうしても客観的に説明のつかない部分が残り、そうした部分に対して何らかの仮定をおいて進まざるを得ないものだ。こうした曖昧さがバリュエーションを難しくしている。 バリュエーションの算定手法は大きく言って次の2種類からなるようだ。 類似企業との比較によるアプローチ 将来の利益やキャッシュフローを積み上げて適当に割り引くことによるアプローチ 「類似企業アプローチ」は、例えば類似企業のPER(株価収益率)を使って
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 VC投資の世界では、しばしば株券の種類が問題になる。増資の際、普通株と種類株のどちらを使うべきか、きちんと整理して考えなければならない。 海外のVC投資の世界では圧倒的に優先株が使われており、普通株が出てくることはほとんどない。日本ではまだ優先株は少数派のようだが、着実に裾野は広がっているようなので、どのような優先権を付与すべきかノウハウが蓄積されて相場が形成されていくことであろう。 海外VC投資で優先株が使われる理由は何だろう。起源については詳しくないが、90年代後半には海外でもまだ普通株による投資が行われていたようであり、2000年のバブル崩壊に全面的に優先株に切り替わってきているような気がする。実際、バブルが崩壊して投資したVBが次々に苦境に立たされる中で、V
シリコンバレーの日々 日米のハイテクベンチャーに投資する「キャピタリスト」が、ベンチャー企業やVC投資の諸々をお届けします。 最近、通信ベンチャーであるアイピーモバイルの株式や経営体制についていつくかニュースが出ている。日本経済にとってベンチャー企業とは何か、株主とは何か、改めて考えさせるケースだ。 ご存知ない方のために報道を元に経緯を整理してみよう。 アイピーモバイルは2005年11月にイー・モバイル(イー・アクセスの子会社)やBBモバイル(ソフトバンク子会社)とともに総務省から周波数を割り当てられ,携帯電話事業への参入を認められたベンチャー企業だ。資本金は53億円。IIJ、CSK、楽天といった企業が出資しており、日本のベンチャー企業としては大きいといえよう。携帯電話事業への参入VBとして注目されていた。しかし、下記のように迷走していく。 2007年4月8日記事 アイピーモバイルは2GH
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