第88回 公務員法が成立、それでも天下りはなくならない 経済アナリスト 森永 卓郎氏 2007年7月2日 先月30日未明、改正国家公務員法が参院本会議で可決・成立した。この法律は、いわゆる「天下り」をなくすことを目的としたもので、これまで各省庁が個別に行ってきた再就職の斡旋を、新しく設置される「官民人材交流センター」に集約するというものだ。政府によれば、このセンターで人材斡旋を一括することにより、天下りの弊害である利権構造や官民癒着をなくすことができるという。 だが、これで本当に天下りがなくなるのだろうか。百戦錬磨の官僚たちが、そんな程度のことで天下りというウマイ話を捨て去ることができるのか。わたしにはそうは思えない。 そこで思い出されるのが、ある役所の事務次官と酒を飲んだときのことだ。ほろ酔い気分になったあたりで、わたしはこんな質問をした。「事務次官をやってきた4年間で、どういうこ