オールトの雲(オールトのくも、Oort cloud)あるいはオールト雲(オールトうん)とは、太陽系の外側を球殻状に取り巻いていると考えられている理論上の天体群である。 名称はオランダの天文学者ヤン・オールトが、1950年に長周期彗星や非周期彗星の起源として提唱したことに由来する[1]。存在を仮定されている天体は、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷が主成分であると考えられている。 概要[編集] オールトの雲は、おおむね太陽から1万au(天文単位)、もしくは太陽の重力が他の恒星や銀河系の重力と同程度になる10万au(約1.58光年)の間に球殻状に広がっているとされる。その存在は彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計にもとづく状況証拠のみであり、想定される領域で天体が直接観測された訳ではないため、仮説の域を出ないが、存在を否定する証拠も特にない。 オールトの雲には1×1012(1兆個)