タグ

ブックマーク / blog.tatsuru.com (3)

  • 成長と統治コスト - 内田樹の研究室

    『複雑化の教育論』の中で、高度成長期に最も統治コストが嵩んだことを論じた。統治しにくい状態になると、経済は成長し、文化的発信力も高まる。だから今の日のように「統治しやすい状態」になると、経済は停滞し、文化も力を失う。その「さわり」のところを少しだけ抜き書きしておく。 この30年間は中産階級の没落と、労働者階級の貧困化として進行しました。それは当然なんです。統治コストの削減は必ず「中産階級の空洞化」をめざすからです。これは世界中あらゆる国の出来事に妥当します。 近代史をひもとけばわかりますけれど、中産階級が勃興すると、民主化闘争が起きます。市民たちがある程度経済的に豊かになると、権利意識が芽生えてくる。言論の自由、思想信教の自由、政治的自由を求めるようになる。やがて、市民革命が起きて、近代市民社会が成立する。これは決まったコースなわけです。王政や帝政に替わって民主制が登場してくる。 革命と

  • 教育のコストは誰が負担するのか? - 内田樹の研究室

    増田聡くんがツイッターで、奨学金について考察している。 もう奨学金という名称を禁止すべきではないか。学生向け社会奉仕活動付きローンとか、強制労働賃金(返済義務あり)とか、いいのがとっさに思いつかないけど、現実を的確に解釈しかつ人口に膾炙するキャッチーな概念をこういうときにこそ考案するのが人文学の仕事なのではなかろうか。マジで。 すくなくとも現状の奨学金は奨学金ではなく貸学金と呼ぶべきだよな。 貸学金:たいがくきん。うっかり借りてしまうと社会奉仕を義務づけられ単位取得が滞りしまいには退学に追い込まれてしまう、恐ろしい学生ローンのこと。 今知ったんですが「貸学金」という言葉は中国語に存在しまして、うちの留学生の王さんにきいたところを総合するとほぼ日の学生支援機構「奨学金」と同種の学生貸付制度であるようだ(99年開始だとのこと)。一方で、中国には返済不要のちゃんとした奨学金も存在する。よっぽど

  • 学ぶ力 - 内田樹の研究室

    「学ぶ力」という文章を書きました。中学二年生用の国語の教科書のために書き下ろしたものです。が届いて、読んでみたら、なかなか「なるほど」と思うことが書いてあったので(自分で言うなよな)、ここに再録することにします。 中学二年生になったつもりで読んでね。 「学ぶ力」 「学ぶ力」 日の子どもたちの学力が低下していると言われることがあります。そんなことを言われるといい気分がしないでしょう。わたしが、中学生だとしても、新聞記事やテレビのニュースでそのようなことを聞かされたら、おもしろくありません。しかし、この機会に、少しだけ気を鎮めて、「学力が低下した」とはどういうことなのか、考えてみましょう。 そもそも、低下したとされている「学力」とは、何を指しているのでしょうか。「学力って、試験の点数のことでしょう」と答える人がたぶんほとんどだと思います。ほんとうにそうでしょうか。「学力」というのは  「試

  • 1