著名な経済学者、ジェフリー・サックス米コロンビア大教授のタックス・ヘイブン(租税回避地)に対する批判論文が議論を呼んでいる。 英紙フィナンシャル・タイムズに掲載された書簡の中でサックス氏は、世界最大のタックス・ヘイブンである英領ケイマン諸島について、「住民の中には数百のファンドの取締役を兼務する者もいて、監督能力が限定されている」と指摘。また、国際決済銀行(BIS)のデータを基に、同諸島の金融システムの負債と資産は1兆4000億ドル(約142兆円)に達していると指摘した上で、「同システムは世界の金融システムにとって非常にもろい“カードで作られた家”だ」と批判した。 サックス氏は、ヘッジファンドや銀行が租税回避のために多用するタックス・ヘイブンに対する金融当局の監督の甘さが世界経済の「重大な脅威」になると警告を鳴らしているわけだ。 これに対し、ケイマン諸島の金融業界団体のトップ、ケイマン・フ