トヨタとマツダが異例な包括提携 5月13日、トヨタ自動車とマツダが業務提携に関して共同記者発表を行った。今回の提携の狙いは、「車が持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭においた、両者の経営資源の活用、商品・技術の補完などにあるという。 トヨタとマツダが提携するのは決して初めてではない。古くは1970年代に排ガス対策としてのロータリーエンジンの技術に魅力を感じたトヨタがマツダと提携しているし、最近ではハイブリッド技術に魅力を感じたマツダと、ファミリーカーづくりに力を入れていたトヨタは、これらの領域での提携をしている。 しかし今回の提携が異例なのは、これまでの提携のような特定の領域における「ギブとテイクの関係」が明確でないことだ。筆者の知る限り、自動車メーカーがこのような包括的な提携を、資本関係抜きで実施することは極めて珍しい。 本稿では、この提携に関して筆者なりの解釈を述べてみたい。 提携の