早稲田大学の政治経済学部の一般入試で2021年度から数学が必須科目となった。英語・国語・社会のいわゆる「文系科目」だけの受験はできなくなる。私立文系の人気学部が改革に踏み切った狙いは何か。数学の知識や素養の必要性が高まっているのか。数学を巡る最新状況について聞いた。【聞き手・伊藤和史】 偏った受験指導を変えたい 須賀晃一・早稲田大政治経済学部長 変わっていく時代をリードする人間を我々は輩出しなければいけない。そのために、早稲田大学のなすべきことは何か、その中で政治経済学部をどう改革していくか--という議論から出てきた入試改革だ。 政経学部(政治学科・経済学科・国際政治経済学科)では2019年度から公共哲学、政治分析入門、それに数学の知識が必要な統計学やミクロ・マクロ経済学入門などが初年度で3学科共通の必修科目になる。04年度発足の国際政経学科で先行して必修としてきた科目で、これを学部全体に