いくえみ綾という少女漫画家がいる。 あの人の怖いところは、80年代からずーっと少女漫画を描いているどベテランなのに、 キャラクターの服も、高校生の会話のノリも、「かっこいい男」像もほとんど古くならないところだ。 何をいつ書いてもちゃんと「今っぽい」。 よい意味でミーハーなのだと思う。 彼女はデビュー以来、今もずっと北海道に住んでいるのだという。 並べて語るのもおこがましいが、私も少しものをつくって売ったりする。 ど田舎の実家にいたときも東京に移り住んだ今もやっていることなのだが、 しょうじき、東京に出てくる前の方が「今っぽい」ものを作れていた気がする。 もちろん加齢もあるだろうが。 なんというのか、地方にすんでいたときの方が、 自分に関わりのない流行やどうでもいい会話などが入ってきやすかったような気がするのだ。 どんな服がどんな層に流行っているか、 高校生はどんなことをしゃべって笑うのか、
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