摩耗故障期に起こること 偶発故障期から次の摩耗故障期へ入ると、HDDの寿命による故障が始まる。寿命を決める要因はさまざまだ。物理的な要因には、機械的な摩擦や摩耗、外力(振動や衝撃、落下)などがある。化学的な要因には、汚染や酸化、エレクトロマイグレーション、電磁障害などがある。故障する箇所はモーターであったり、電子部品であったり、HDDの媒体であったりする。 これらの寿命は温度に対する依存性があり、高温環境と低温環境のいずれもが、HDDの寿命を短くする。実際には、高温環境が偶発故障期間の故障率を高めるとともに、寿命を縮めるケースが少なくない。 高温環境の影響を実際の温度変化で示そう。温度0~90℃における部品レベルの故障率(FIT:Failure in Time)でみると、モーターの故障率は30℃程度の温度上昇によって1桁程度、増加する。磁気媒体の故障率は60℃くらいまではほぼ一定なのだが、
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