世界三大珍味の一つとされる高級食材のトリュフ。あまり知られていないが、国内にも自生しているキノコだ。国産のトリュフを栽培して商品化につなげようと、熊本県や茨城県で技術開発が進められている。 国産トリュフを研究しているのは、森林総合研究所九州支所(熊本市)の木下晃彦・主任研究員らのグループ。木下さんが袋から黒っぽい丸い固まりを取り出すと、周囲に強い香りが広がった。大分で採取されたトリュフという。強い香りはシイタケやニンニクなどにたとえられることもあるが、ノリのつくだ煮のような海産物の香りがした。 木下さんによるとトリュフは欧米や中国など北半球に分布する。料理に使われるのは主に欧州産の白トリュフ(シロセイヨウショウロとも呼ばれる)だが、世界で約80種が確認されている。DNAを詳しく調べれば180種以上になる。国内では1976年に鳥取で確認されて以来、北海道から宮崎までの林などで20種が見つかっ