女性9人に乱暴したとして強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた、静岡県長泉町の小沢貴司被告(35)に言い渡された懲役50年の実刑判決。刑法の規定のはざまで出された異例の長期刑について、裁判員は犯行を繰り返したうえ被害者を執拗(しつよう)に脅し、犯行を隠(いん)蔽(ぺい)しようとした手口を挙げて「妥当だ」と語った。一方、弁護側は「刑法の規定を形式的に適用した」として控訴する方針だ。 この日、グレーのスーツに白いシャツ姿で緊張した面持ちで入廷した小沢被告に対し、片山隆夫裁判長は「(被害者の)精神的苦痛は甚大。徹底した矯正教育が望まれることを考慮すると、いずれの刑も懲役20年を下回るべきではない」と判決理由を述べた。 判決文などによると、小沢被告は犯行時、車で女性を物色し「もうおめえは終わってんだよ」などと女性を侮辱しながら犯行に及んだ。さらに、被害者の携帯電話や運転免許証などを確認して「住所を知