重大事件の公訴時効を廃止・延長する刑事訴訟法などの改正案が27日にも成立する見通しとなっている。殺人や強盗致死など死刑もありうる罪は時効が廃止され、傷害致死や強姦(ごう・かん)致死など人を死なせた罪は時効期間が2倍に延長される。「逃げ得は許さない」という被害者遺族の会の声が背中を押した法案だが、県内の関係者の胸中は複雑だ。懐疑的な意見もある。事件の被害者遺族、一線の弁護士、捜査関係者に聞いた。(阿部峻介、佐藤英彬) ●法律の話 気は晴れぬ/遺族 「別に15年なら、15年でいい。犯人を見つけたらオレの手で捕まえるだけ」。9年前に娘を失った父親はこう吐き捨て、行き場のない憤りをあらわにした。 事件は2001年4月14日未明、西那須野町(現那須塩原市)の住宅街で起きた。大田原市の国際医療福祉大に通う大学4年、前田笑(えみ)さん(当時24)が民家の敷地で刺殺体で見つかった。血痕は近くのマンシ