獣医師も人相手の仕事です 印刷 ソーシャルブックマーク 獣医学系の本を手がける編集者から、こんな質問を受けた。「最近の若い獣医さんには、飼い主の話をうまく聞けない人もいるようです。問診の仕方などをまとめた本を考えているんですけど、どうしたらいいですかね」と。 私も獣医師になりたての頃、「こんなに飼い主と長く話さなくてはいけないのか」と、少なからずショックを受けたことがある。 当たり前といえば当たり前だが、動物はひとりで病院に来ない。小動物の臨床は人と話すのが好きな人でないと無理じゃないかなとさえ思う。 動物たちが「今日は頭が割れるように痛い。吐きそうやし、どうにかして」とやって来て、「そうですか。それなら鎮痛剤を出して、血液検査もしましょうか」と診察するなんてことはない。話はすべて、飼い主から聞き出さなければならない。 飼い主によって、話し方は様々だ。順序よく時間の流れに沿って要領よく話し