世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザ(H1N1型)による世界の死者が、今月1日までの集計で6000人を突破したと発表した。インフルエンザのように動物とヒトの間で感染する「人獣共通感染症(動物由来感染症)」や保健政策の専門家は、もはや人間の健康問題は動物の健康を抜きに考えられないと指摘している。感染症のパンデミック(世界的大流行)は、国の医療・保健制度だけでなく、市民の日常生活や経済活動にも大きな影響を及ぼす。 ◇ ≪分析≫ 20世紀後半に医学が大きく進歩したにもかかわらず、動物に由来し、人間に感染する新しい病気が現れ続けている。エイズ(HIV/AIDS)、新型肺炎(SARS)、西ナイル熱、強毒性の鳥インフルエンザ(H5N1型)のほか、「豚インフルエンザ」とも呼ばれる現在流行中の新型インフルエンザなどだ。 どうすれば、人獣共通感染症から人間の健康を守ることができるのか。考えら