物に付着した細菌の種類を調べることで、それを主に誰が触ったかを特定する技術を、米コロラド大の研究チームが開発し、16日付の米科学アカデミー紀要で発表した。 指紋が残りにくい布などからも検出でき、犯罪捜査に利用できる可能性があるという。 手に付着している細菌の種類には個人差が大きい。研究チームは、大学内の同じ建物で働く職員9人のパソコンを12時間、誰も触らない状態で放置した後に、マウスから細菌を採取。約270人を対象に比較した結果、残っていた細菌の組み合わせは持ち主だけとほぼ一致した。 研究チームによると、手のひらには約150種類の細菌がいて、2人の人間の手のひらに共通する種類は平均して13%程度。検出された細菌の組み合わせによって誰が触ったかを高い確率で推測できるという。 平松啓一・順天堂大教授(感染制御科学)の話「細菌の個人差に注目した点は面白い。ただ、細菌は握手をすれば人から人へ移る。