シワン・イスマーイル(23)は、14年8月に家族とイスタンブールに来た。シリアでは大学で経済学を学び、今は旅行代理店で働く。「トルコの人たちは私をシリア人と思わない。ベールを着けず、物乞いもしないから」と彼女は言う。「学位やお金、ビジネス経験のあるシリア人も大勢いるのを彼らは知らない」 内戦を逃れたシリア難民が最も多く流入しているのは隣国トルコ。その数は220万人にも上るが、彼らは正規の労働を認められておらず、生活は苦しい。25万~30万人が難民キャンプで暮らし、危険を冒してヨーロッパを目指す人も少なくない。 一方、厳しい現実の中でたくましく人生を再始動させた人々もいる。100万人近くの難民が暮らし、国外最大の「シリア人都市」となっているイスタンブールで、写真家アレッサンドロ・ガンドルフィはそんな難民たちの姿を捉えた。 ポケットに小銭だけ、という状態で戦火を逃れてきた人々が今ではレストラン