今年4月から全面自由化された電力小売市場をめぐり、早くも混乱が起きている。 東京電力子会社が新規参入した新電力に対し、顧客の使用量データの通知を遅延させたうえ、約5千件が消失した恐れがあるという。 システムの不具合が原因とされるが、これでは新電力は使用量に応じた正しい電気料金を顧客に請求できない。鳴り物入りで始まった電力自由化だけに、制度開始早々に期待を裏切る事態が起きたのは問題だ。 東電側は新電力と協力し、顧客に丁寧な説明をしながら混乱の早期収拾を図るべきだ。そのうえで要員の増強を含めた再発防止を徹底してほしい。 電力自由化で既存の電力会社から新電力に契約変更すると、電力会社が新型電力計を設置し、使用量の通知を受けた新電力が料金を顧客に請求する仕組みだ。 東電の送配電網を管理する東電パワーグリッド(PG)は、4~5月分の使用量データを新電力に送る作業が遅れ、約2万件の料金請求に遅延が生じ
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