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ブックマーク / macska.org (15)

  • 北米社会哲学学会報告5/売買春、フェミニズム哲学、承認をめぐる闘争

    だんだんネタの鮮度がさがってきて最初ほど面白くないという噂もある北米社会哲学学会報告、今回はともにキャサリン・マッキノンの思想とフェミニズム法哲学に関連した発表二件について。「Toward a Feminist Theory of the State」などの著作を読んでマッキノンの主張を理解している人は別として、彼女の主張を「反ポルノ、反売買春」の文脈だけで見聞きして、そのおかしな主張(ごめん)がどういう理屈で成り立っているのか不思議に思っている人には、簡単なマッキノン入門編になるかも。あと、フェミニズム法哲学の弱点を乗り越えるものとしてアクセル・ホネットの承認理論を元にした「承認の法哲学」なるものも登場する。 第一の発表は、ポートランド大学哲学学部の Jeffrey Gauthier による、売買春の法的・倫理的な扱いに関して哲学者が取り得る立場の分析。とくに Gauthier は、対照

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  • macska dot org » Blog Archive » 黒人保守論客シェルビー・スティールが語る「それでもオバマが勝てない理由」

    米国大統領選挙の民主党指名獲得競争ではこのところバラック・オバマ候補が好調。ほんの数ヶ月前には組織のしっかりしたクリントン候補には到底かなわないという声も聞かれていただけに、オバマ候補の最近の勢いはすごいと思うのだけれど、それでもオバマは勝てないと近著「A Bound Man: Why We Are Excited About Obama and Why He Can’t Win」で主張している黒人保守系政治評論家の Shelby Steele のトークに参加する機会があったので、報告する。ていうか当は話を聞きに行ったのはちょっと前のことなんだけど、幸い話題の賞味期限が切れていないのでいまさらながら書く。 まずは Steele の人となりから。かれは現在スタンフォード大学に設置されたシンクタンクであるフーバー研究所の研究員の肩書きを持ち、政治と人種関係についての著書がいくつかある。フーバ

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    mojimoji
    mojimoji 2008/08/07
  • macska dot org >> Blog Archive >> フェミニズムにおけるポルノグラフィ否定論と肯定論の意外な近さ

    先日、反ポルノグラフィ論者で男性問題研究者のロバート・ジェンセン氏(テキサス大学)が、ポルノグラフィと男性性の問題について書いた近著『Getting Off: Pornography and the End of Masculinity』に関連した講演のためポートランドを訪れたので、積極的なポルノ肯定論者とまではいかないものの「反・反ポルノ論」程度にはこの論争にかかわってきたわたしも参加し、じっくり話を聞いてきた。その結果感じたのは、肯定派・否定派のどちらの側でも、相手の意見をきちんと聞く余裕のある人は、かなりの部分同意できるというか、同意できない部分に関しても「自分が絶対正しくて、相手は絶対間違っている」みたいに決めつけずに済むのではないかということだった。詳しく報告してみたい。 そのまえに、ジェンセンとかれのについて一応。かれはもちろん、宗教的・性道徳的な立場からの反ポルノ論者ではな

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    mojimoji
    mojimoji 2008/06/27
    「現代社会における覇権的男性性の構築を分析するには、実際に多数の男性がマスターベーションに使用しているものを研究対象としなくては意味がないではないか、というのがかれの言い分だ。」
  • 「ネオコン左派」に転じる世俗的ヒューマニズムと「新しい無神論者」

    誌創刊号(四月十日発行)に掲載された「米国を席巻する『新しい無神論者』の非寛容と、ほんの少しの希望」では、米国オレゴン州で活動する「新しい無神論者」たちのグループの活動を紹介しつつ、ドーキンスをはじめとする「新しい無神論者」論客の一部に見られる理性至上主義が他者に対するーー特に移民や少数民族など、文化的・宗教的背景の異なる社会的弱者へのーー不寛容に転じることへの懸念を表明した。かれらは米国の宗教右派による女性や同性愛者の権利への攻撃や、イスラム原理主義をかかげるテロリズム、さらにはヒトラーやスターリンの犯罪までもがすべて「理性の欠如」によって起きているかのように言うが、みずからを「理性的」と規定して「非理性的」な他者を切り捨て殲滅しようともくろむ理性至上主義こそ、むしろ危険なのではないか。 「米国を席巻する〜」ではそのようなことを伝えたかったのだが、どうも単なる「無神論者批判」「ドーキン

    「ネオコン左派」に転じる世俗的ヒューマニズムと「新しい無神論者」
    mojimoji
    mojimoji 2008/05/20
    「みずからを「理性的」と規定して「非理性的」な他者を切り捨て殲滅しようともくろむ理性至上主義こそ、むしろ危険なのではないか。」
  • 街頭買春エントリへの追記:経済学+エスノグラフィーの複合技がこんなにすごいとは

    「レヴィット&ヴェンカテッシュの『街頭売春の経済学』報告」への追加パート2。同エントリのコメント欄でcrafty さんから簡単な質問があったのだけれど、それに関連して少し書き足したいことがあったのと、それ以外の部分で追加したいことがあったので、ここに載せておきます。もうちょっと言いたいことをまとめてからエントリ書けば良かったと思うけど、まぁ一つのエントリが長過ぎても読んでもらえないし、ちょうど良かったかな(現状で既に長過ぎという噂もあるけど)。 まず crafty さんの質問。 ピンプのステレオタイプといえばまず黒人、なのですがそれも間違ったイメージでしょうか? もちろん例外はあるけれど、米国におけるストリートピンプの大半は黒人男性と思って間違いではないです。移民が多数を占めるような地域とかでは、わたしが全然知らない事態が進行しているかもしれないけど。 映画の悪役的なイメージだと、ピンプは

  • macska dot org - Blog Archive - 重度障害児に対する「成長停止」をめぐるワシントン大学シンポジウム報告(前編)

    今回報告するのは、今月16日にシアトルのワシントン大学において行なわれた「重度障害児に対する『成長停止』療法」についてのシンポジウムについて。ていうか無茶苦茶長いので取りあえず前半だけ。論争の発端となったのは、アシュリーと呼ばれる女の子をめぐる一つの症例。彼女は生まれつき重度の知能障害を持っており、生後3ヶ月の赤ちゃんと同程度の知能しか持たないとされるばかりか身体的にも手を挙げたり足で歩いたりは不可能な状態だが、それ以外は健康だったとされている。両親は彼女を一生自宅で介護していくつもりでいるが、彼女の身体が年齢相応に成長すると介護や外出のために彼女を持ち上げたり移動させることが困難になり、またベッドの上で身動きのできない彼女自身にとっても身体的に大きく成長することは負担であると考え、一時的なホルモン投与と外科手術によって彼女の成長を抑止するよう医師に求めた。ワシントン大学付属のシアトル小児

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    mojimoji 2007/05/23
  • 同性間DVの取り組みから学んだ「公共的想像力」(ミーガン法 Part 6)

    まえのエントリでわたしが「当に性暴力を無くすためには、『自分も加害者になっていたかもしれない』という想像力を持つことが必要である」と書いたのに対し、なんばさんから個人的あるいはリベラリズムという観念的なレベルでは同意するとしつつも、現実に小児性愛やサディスティックな欲望とも無縁な「一般の善良な人」にそういう想像力を求めるのは無理ではないかというコメントがある。さらに、そのなんばさんの発言を読んだ matuwa さんも、もとからリベラリズムの立場に共感している人以外の人たちに納得させるのは難しいというコメントをしている。なんばさんの発言については先にレイ・ワイヤ&ティム・テイト著「なぜ少女ばかりねらったのか」の話題の方にコメントしてしまったけど、この話題も重要なのでもう少し考えをまとめてみる。 なんばさんの図式に入れて考えてみると、わたしは小児性愛者でもないし、サディスティックな性的欲望も

    同性間DVの取り組みから学んだ「公共的想像力」(ミーガン法 Part 6)
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    mojimoji 2007/04/06
  • 性犯罪者更生プログラムの是非、および小児性愛者との共生の可能性(ミーガン法 Part 5)

    最近、ミーガン法の話題が多くなっているこのサイトだが、メーリングリストやなんばさんのエントリのコメント欄などでいろいろ議論していることをこちらでもまとめておこうと思う。話題があちこちに飛んでいますが、メモ代わりという事でご了承ください。 【通常の性犯罪と比べ、凶悪な快楽殺人のケースでは再犯率は物凄く高いのではないか?】 特に凶悪な快楽殺人のケースでは確かに累犯が多いというのは知られているが、釈放後の再犯が多いというデータは多分存在しないはず。なぜなら、その種の犯罪ではあまりに犯行が凶悪であることと、最初に逮捕されるまでの累犯が多いために、一度逮捕されたら死刑・終身刑や実質上一生出られない超長期の懲役刑になって、釈放されることが滅多にないから。ミーガン法の対象となるのは「釈放された前科者」、すなわちそこまで凶悪でない犯罪者だけなので、凶悪快楽殺人犯の問題は別に扱うべき。 【勃起すると悪臭や苦

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    mojimoji 2007/04/06
  • 組織に無限の責任を負わせない「セクハラ対策」のあり方

    普段見ないサイトだけど、偶然見てしまったのでコメント。 CNET Japan にブログの形で掲載されている「ギートステイト制作日誌」の最新号で、哲学者・批評家の東浩紀さんがいじめやセクハラ、ドメスティックバイオレンス(DV)といった文脈で最近関心を呼んでいる「精神的な暴力」という課題についてこういう発言をしている。 この「精神的な暴力」なるものはとても厄介な概念です。なぜなら、精神的な暴力については、どこまでが暴力でどこまでが暴力でないか、その境界画定がきわめて難しいからです。だれもが経験していることだと思いますが、同じ言葉、同じ行為が、あるときは暴力になったり、あるときは親愛表現になったりします。あとから解釈の枠組みが変わることもあります。「あのとき実は俺はおまえの言葉で傷ついていたんだ」と言われてしまったら、反論するのはきわめて難しい。そういう性質をもっています。 にもかかわらず、私た

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    mojimoji 2006/12/17
    とても参考になる。
  • macska dot org >> Blog Archive >> 日本軍「慰安婦」問題についての米国議会調査局の報告書

    以下に掲載するのは、米国議会図書館の調査部門である議会調査局のラリー・ニクシ調査員(アジア問題専門)が2006年4月10日に議会に提出した日軍「慰安婦」問題についての報告書です。議会調査局は過去にも日米関係の報告書などにおいて慰安婦問題を取り上げていましたが、慰安婦問題自体を主題に扱った報告書はこれがはじめてです。これは、現在イリノイ州選出のエヴァンズ下院議員を中心に慰安婦問題における日政府の取り組みの不十分さを非難する決議が議論されているのをうけてのことだと思われます。 議会調査局は議員の委託を受けて外交問題はじめさまざまな問題について調査する公的シンクタンクですが、報告書は原則として公開文書であるにも関わらず、内容はおろかその目録すら一般市民が直接入手することはできないようになっています。これは、議会調査局の役割が法律上「議会に」情報を伝えることとなっていて、一般市民に直接情報を伝

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    mojimoji 2006/04/30
  • macska dot org � Blog Archive � 米国外交当局の視点から見た「慰安婦」問題:議会調査局報告・解説

    先日「日軍『慰安婦』問題についての米国議会調査局の報告書」を紹介したが、それについて危惧した通りというかやっぱりというか、早速サヨク・ウヨク双方から奇妙なリアクションが起きているので、多少解説というかコメントをつけてみたい。 まず、素直に報告書の全体を通して読んでみると、かなり日政府に好意的だという印象を受けた。もちろん、いまではサヨクすら寄り付かないような信用性の低い資料(吉田証言、ジョージ・ヒックス等)が引用されているなど、「つくる会」側の人たちから見れば不満な点もたくさんあると思うけれど、日政府の立場から言えばこれ以上好意的な内容というのはちょっとあり得ないと言ってもいいくらいだ。 忘れてもらっては困るのだけれど、日政府は公式見解として慰安婦問題における人権侵害に政府の責任はあったと言っているし、謝罪もしている。だから、報告書が日政府の責任を指摘している部分は日政府自身の

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    mojimoji 2006/04/30
  • macska dot org ? Blog Archive ? 【保存版】売買春とフェミニズム理論4分類

    ええと、今回から始めるシリーズとして、過去にわたしが掲示板やMLに書いた記事の中から、それだけで役に立ちそうな内容のモノを紹介していこうと思います。第1回は、様々なフェミニズム理論における売買春の扱いについてで、2001年にわたしが Wendy Chapkis という人の「Live Sex Acts」(1997) というの最初の20ページくらいを、わたしの主観によりさらに簡単にまとめたものです。 ***** 売買春について私とだいたい意見が近いフェミニストにWendy Chapkisという人がいますが、彼女の「Live Sex Acts」というの第1章ではほんの20ページくらいの文章でフェミニズムにおける売買春についての論争を具体例を挙げてきっちりまとめています。 ここではそれを私の主観によりさらに簡単にまとめてしまいます。 Chapkisによると、フェミニズム内部の売買春についての分

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    mojimoji 2006/04/11
  • 夫婦別姓を選ぶ権利「だけ」を求める団体の無規範なシニシズム

    「外部での引用禁止」をポリシーとしているあるフェミ運動&学究系メーリングリストで関わっている議論について報告。ここはクローズドなリストだとはいえ、公的な運動や学究が目的のリストなんだから引用禁止にするのはおかしいんじゃないかと思うんだけど、ルールに違反したとして追い出されたら嫌なので固有名詞の使用や直接の引用は避けます(括弧でくくっている部分は引用ではなくすべて要約です)。問題となっているのは、夫婦別姓を選択できるような民法改正を目指している団体。これまでの同種の団体が民法上の婚外子の差別撤廃を夫婦別姓の実現をともに主張してきたのに対し、ここは夫婦別姓のみを訴える点が特徴なんだそうだ。 もともとこのメーリングリストにおける議論は、婚外子差別の問題に取り組んでいる人が「夫婦別姓だけに集中して婚外子差別を切り離すのはおかしいのではないか」と訴えたことにはじまる。わたしは婚外子差別の問題について

    夫婦別姓を選ぶ権利「だけ」を求める団体の無規範なシニシズム
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    mojimoji 2006/01/13
    「まったくもう、これだからシングルイッシューの団体はどこもかしこもダメなんだ。」複数の問題を通して公理系として考えることの重要性。
  • ジョン・マネーの正体、実は「アンチ・ジェンダーフリー」派

    もはやどーでもいいんだけど、またしてもジョン・マネー及び「ブレンダと呼ばれた少年」の話題。というのも、例のが復刊されたことで新しく感想を述べている人はいないかなぁと探したところ、わたしがここで以前書いた事に対して批判していると思われる記述を偶然発見したので、それについてお答えしなくちゃいけないと思ったのね。その記述というのは瑠璃子さんという方が運営しているWhat’s New Pussycat!?というブログの「ジェンダーはフリーになるのか ジェンダーフリー理論の曖昧さ」という記事のこと。 ただし、それが確かにわたしの記事に対する批判であるという証拠はない。というのも、リンクやトラックバックもないばかりか、わたしの名前すら出してもらえなかったから。でも、瑠璃子さんの批判の周辺に書かれているディーテールを総合すると、多分わたしの記事への批判(というのが大げさなら、批判的な感想と言ってもいい

    ジョン・マネーの正体、実は「アンチ・ジェンダーフリー」派
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    mojimoji 2005/10/06
    ジェンダーフリー・バックラッシャーの理論的根拠レスを暴く。その2。
  • 「ブレンダと呼ばれた少年」の政治利用は間違い(macska dot org: it's all about cats. 'cept it's not.)

    ちょっと前の話題だけど、当時旅行中で書きそびれたので簡単に。Yoko さんから転送された産経新聞4月11日の記事によると、何年か前に無名舍から出版されて既に絶版となっていたジョン・コラピント著「ブレンダと呼ばれた少年」をフジサンケイグループの扶桑社が再刊することになったという。 以下は記事からの抜粋: ジェンダーフリー(性差否定)やフェミニズムの理論的支えで、「性別は後天的に決めることが可能」との学説を唱えてきた米国の性科学者の虚構性を暴露した米ジャーナリストによるノンフィクション「ブレンダと呼ばれた少年」が、扶桑社から復刊されることとなった。 (略) 内容は生後八カ月に手術の失敗で男性性器の大半を喪失した双子の一人を性転換し、両親がブレンダと名づけ女の子として育てるという話。手術を両親に促した医師は「実際に女の子として順調に育っている」と論文などで大々的に発表、世界的に注目を集めた。 し

    「ブレンダと呼ばれた少年」の政治利用は間違い(macska dot org: it's all about cats. 'cept it's not.)
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    mojimoji 2005/10/06
    ジェンダーフリー・バックラッシャーの理論的根拠レスを暴く。
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