技能実習を終えた外国人がさらに5年間働ける、新たな在留資格の創設に政府が着手する。日本は外国人が在留資格を得るのが難しい国のひとつだで、労働力確保のためには緩和すべきだといわれながら、議論も制度改革もすすまない。実際には移民の労働力に頼りきりな日本の現実について、ライターの森鷹久氏がレポートする。 * * * 九州某県の国道沿いに佇む、周囲は田畑に囲まれたかつて飲食店だった建物。午後10時ころ、十数人のアジア系の女性が建物から出てくると、そのまま列をつくって数百メートル離れた場所にある寂れたアパートへ向かう。一部屋に三人ずつほどだろうか、アパートの全四部屋にそれぞれ分かれて入っていった。こんなところになぜ多くの外国人が……、と違和感を覚える光景だが、近隣住民にとっては見慣れた日常だ。