本来ならば、「美しいサッカーをした国」が優勝したということだけが、語り継がれるW杯になるはずだった。しかし、今大会は決勝にいたるまでに、あまりにも印象的で、重大なレフェリーの判定ミスがあった。 「誤審の大会」 今大会をのちに振り返ったとき、必ずそう揶揄する人が出てくるだろう。とりわけオランダ国内において。 そのシーンは、延長戦の後半10分に訪れた。 貴重なCKを誤審で失った直後にリズムを失ったオランダ。 オランダはエリアのドリブル突破により、ゴール前でFKを得た。残り時間を考えると、最後のチャンスになるかもしれない。スナイデルは相手の壁が他の選手に注意をとられている隙に、素早く右足を振りぬいた。 その機転が裏目に出た。 FKは壁の左端にいた選手に当たり、そのままゴールラインを割った。本来ならCKだ。だが、イングランド人のウェッブ主審はそれを見逃したのか、スペインのゴールキックと判定したので
一躍有名になった“予想タコ”パウル。決勝はスペインの優勝を予想したが、果たして?【Photo:AP/アフロ】 ワールドカップ(W杯)準決勝のドイツに対するスペインの勝利を正しく予想して以来、ドイツだけでなく世界に知られる超有名ダコとなった“予言ダコ”のパウル。これまでドイツ絡みの試合だけを予想していたパウルが9日、リクエストに応えてオランダ対スペインの決勝の予想をした様子は、欧州各国のテレビで生中継された。 この予想は、それぞれに2カ国の国旗をつけた2つのケースを水槽に沈め、パウルがどちらのケースから先にエサを取るかで勝者を占う。スペインのラジオは、ライブ映像を見ながら「きた、きた、きた! パウル、スペインのケースに接近、蓋を開けた。スペイン、W杯優勝!」とリアルな実況放送。スペインの『マルカ』紙はすぐさま、ウェブサイト上で「タコのパウルはわれわれをチャンピオンと見た」とヘッドラインを打
ヨハン・クライフはスペインを応援することに決めたらしい。 クライフはオランダ人だが、決勝では母国のオランダを応援しないというのだ。 南アW杯のスペイン代表チームは、ほとんどバルセロナである。プジョル、ピケ、ブスケッツ、シャビ、イニエスタ、ペドロがバルセロナ所属で、ビジャもW杯が終わればバルセロナに入団することが決まっている。しかもセスクはバルセロナのユース育ちだ。スペインのプレースタイルは、そのままバルセロナといっていい。そして、そのバルセロナ・スタイルの大本を作ったのがヨハン・クライフなのだ。 なぜクライフはオランダよりスペインを贔屓にするのか? バルセロナのグアルディオラ監督は、「クライフは(バルセロナというチームにとって)ラファエロのような存在」だと言う。 ラファエロの壁画はすべて1人で描いたわけではなく、ラファエロの工房に所属する多くの弟子たちが手伝って完成した作品だ。とは言え壁画
オランダのファンマルウェイク監督が8日、ヨハネスブルクで記者会見し、11日の決勝の相手であるスペインのサッカーに皮肉を浴びせた。 スペインは準決勝のドイツ戦で先発11人中、6人をバルセロナ所属の選手が占めた。来季からはFWビリャもバルセロナの一員となることが決まっており、これが流れるようなパスワークを可能とさせている一因となっている。 ファンマルウェイク監督は「スペインは最近で世界最高のチーム。私も彼らの試合を楽しんでいる」と高く評価しながらも、「スペインはバルセロナの影響を受けているように思う。そしてバルセロナはクライフとミケルスの影響を受けている。これはオランダサッカーへの賛辞だ」とチクリ。 クライフはいわずとしれたオランダが生んだスーパースター。ミケルスはクライフの“師匠”にあたり、1974年西ドイツ大会でオランダ代表監督として「トータルフットボール」を世界に披露し準優勝に導いた。と
南アフリカ・ワールドカップでファイナルに進出したスペイン。カルレス・プジョールの本業はDFだが、彼はドイツとの準決勝で歴史的なゴールを決めて一面を飾っている。これまで、スペインはほとんどFWダビド・ビジャがゴールを決めてきた(総得点7ゴールのうち、ビジャは5ゴール。ほかのストライカーは得点を挙げていない)。だが、ドイツ戦で勝負を決めたのは、ゴールネットを揺らす専門家ではないプジョールだった。 しかし、ドイツGKマヌエル・ノイアーを打ち破り、スペインに初のW杯ファイナルの舞台をプレゼントしたプジョールのゴールには、一つの秘密があるという。プジョールは次のように話している。 「昨日のゴール? バルセロナで僕らがよくやっているプレーなんだよ。(ビセンテ・)デル・ボスケ監督がドイツのディフェンスについて話したとき、僕は彼にあのサインプレーを代表でも試さなければいけないと言っていたんだ」 「ドイツ戦
過去にオランダ代表として活躍し、1974年のワールドカップ(W杯)・西ドイツ大会ではチームを準優勝に導く原動力となったヨハン・クライフ氏は、スペイン紙『エル・ペリオディコ』に連載しているコラムの中で、11日に行われるW杯・南アフリカ大会の決勝、オランダ対スペイン戦についてコメントし、「スペインが有利」との見解を示した。 「7日の準決勝で、スペインは強豪ドイツ相手に自分たちのサッカーを完ぺきに遂行した。バルセロナのコピーのようなスペイン代表のスタイルは、サッカー界にとって最高の指標だ。常に攻撃的で観客を魅了するこのスタイルがうまく機能し続ければ、決勝戦で勝つ可能性も高くなるだろう」 クライフ氏はまた、すべてのオランダ人が、スペインよりもドイツとの決勝戦を望んでいたであろうことを指摘した。 「すべてのオランダ人がドイツとの決勝戦を望んでいたことだろう。その理由は2つある。1つは、1974
スペインのポゼッションサッカーに対抗する手段は大きく分けて2つある。 1つはスイスがグループステージ初戦で見せた強固なブロック構築。もう1つはチリが同じくグループステージの最終戦で見せた高い位置からの極めて激しいプレッシング。 ドイツは、なぜか前者を選んだ。そして、スイスほどゴール寄りではないが、自陣にどっしり構えた。「なぜか」というのは、今大会トップクラスの攻撃力を自ら封印したのが意外だったからだ。そのため試合も予想外の展開となった。 スペインが思う存分ボールを廻す。それがまた鮮やかで、うかつに飛び込めないため、ドイツはブロックを保たざるを得なくなる。 ただし、スペインのパスワークが蘇ったのは、ドイツが受け身に回ったからだけではない。 デルボスケ監督がトーレスを外しペドロ先発起用の英断。 きっかけはふたつ。 まず、ラインアップだ。 デルボスケ監督は不調を知りながらこれまで頑なに使い続けて
スペインを決勝に導くゴールをドイツ戦で決めたカルレス・プジョル。今大会後の代表引退を示唆しているベテランのディフェンダーにとっては最高のご褒美になりそうだ。 32歳になるプジョルは、決勝戦後に代表チームでの今後について決断を下すと話している。もし、そこで引退を決めるのなら、89試合出場でわずか3得点目が貴重なゴールとして永遠に記憶に留められるはずだ。 チームメートでサイドバックのホアン・カプデビラは、「これまで彼が代表チームに貢献してきたことを考えれば、ああいうゴールは彼にふさわしい。それが僕らを決勝に導いてくれたんだからなおさらだよ。ドイツ相手にコーナーキックからゴールを決めるのは難しいんだ。だからカルレスはとてもうまくやったと思う。こうした試合を左右するのは、ほんとうに些細なことなんだからね」と話した。 ■最新記事 ・ ・ ・ ・ ・
【ケープタウン時事】サッカーの第19回ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会は6日(日本時間7日未明)にウルグアイ―オランダ、7日(同8日未明)にドイツ―スペインの準決勝が行われる。11日(同12日未明)の決勝進出を果たすのはどのチームか。 注目はドイツ―スペイン。両者は2年前の欧州選手権決勝で激突し、スペインが1―0で勝ち、44年ぶりの優勝を飾った。今大会、スペインは中盤のパスワークがやや単調で相手の堅守を崩すのに苦労している。4試合連続5ゴールのビリャは頼もしいが、フェルナンドトレスの復調は不可欠だ。 一方のドイツは、今大会5試合で13得点2失点。若手主体への切り替えが成功し、1次リーグで1敗を喫したものの、決勝トーナメント以降、イングランド、アルゼンチンに圧勝した内容は随一と言える。スピードにあふれたカウンター攻撃は威力十分で、好調の20歳ミュラーの出場停止は痛いが、ベテランのクロ
南アフリカ・ワールドカップで準決勝進出を果たし、喜びに沸いているスペイン。だが、一人のストライカーが得点王争いのトップに立つ一方で、もう一人のストライカーはパーティーに加われず、悲しい表情を見せている。ダビド・ビジャがボールに触れるたびにゴールを奪っているのに対し、フェルナンド・トーレスは一面を飾る瞬間を追い求め続けているのだ。スペイン代表の武器の一つとなるはずだったF・トーレスは、問題となってしまっている。彼がピッチを後にし、セスク・ファブレガスやフェルナンド・ジョレンテ、ペドロらが出場すると、スペインはスイッチが入るのだ。 半月板を手術したF・トーレスは、大会に向けて復帰を急いできた。最後のテストマッチとなったポーランドとの親善試合でゲームに復帰した彼は、大量得点(6ゴール)の輪に加わったものの、そこからはゴールを奪えていない。そして今、EURO08決勝のリベンジを目指すドイツとの準決
ベスト8対パラグアイ代表戦でゴールを決め、南アW杯得点王争い単独トップに躍り出たスペイン代表のFWダビド・ビジャ。代表Aマッチ63試合42ゴール。ラウルの102試合44ゴールのスペイン代表最高得点記録まで2ゴールとしている。 グループリーグの対ホンジュラス代表、チリ代表、そしてベスト16対ポルトガル代表、ベスト8対パラグアイ代表戦で4戦連続ゴールを挙げたビジャ。スペイン人プレーヤーとしてはW杯一大会で4戦4ゴールは最高記録。2002年日韓共催のW杯で、ブラジル代表リバウドが果たした4戦連続ゴールのW杯記録にも並んだ。 さらにスペイン代表としてW杯一大会5ゴールは、1986年メキシコ大会のブトラゲーニョと並ぶ歴代同記録。スイス代表戦での敗戦以降、相方F・トーレスのフィジカルコンディションが戻らない中、一人でスペイン代表を救ってきたビジャ。準決勝では4ゴールを挙げ得点王を狙うドイツ代表のFWク
ベスト8の壁。スペイン代表につねに立ちはだかっていたW杯ベスト8の壁がついに破られた。1950年のブラジル大会以降、スペイン代表はベスト8まで4回駒を進めているが、いずれも敗退。無敵艦隊にはいつのまにか勝てないチームというレッテルが貼られてしまっていた。 ヨーロッパチャンピオンとして迎えた南アW杯。グループリーグ初戦でスイス代表に敗れ、一時はどうなることかと心配されたが、エースのビジャがその後4試合4ゴールをマーク。そして対パラグアイ代表戦でも1ゴールを挙げ勝利に貢献した。 歴史的な勝利も簡単な試合ではなかった。58分、パラグアイ代表のCKの場面でピケがカルドソを引っ張りPK。この不用意なファールでPKを獲得したパラグアイ代表だったが、カルドソのシュートをGKカシージャスが阻止。「レイナから左に飛べと言われた」と試合後に語ったカシージャス。同僚のアドバイスでスペイン代表を救った。 その2分
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く