神戸牛のカルビにでもたとえれば良いだろうか。 ご飯を何杯でもおかわりできるような存在。平成に神戸で生を授かった香川真司は、ファンだけではなく、四六時中ネタ探しに追われるメディアにとっても救世主なのかもしれない。 9月19日、ドイツ最大のダービーである「レヴィアー・ダービー」で、香川はシャルケから2ゴールを決め、ドルトムントに4シーズンぶりのダービー勝利をもたらした。ダービーの翌日も、翌々日も、ドイツメディアは香川の記事であふれ返っていた。香川のことなら、いくらでも記事が書ける。ほくそえむドイツ人記者の姿が想像できる。 「極上の寿司」「アジアのロシツキー」「ドルトムントの人気者」「寿司ボンバー」「演出家」など、これまでも数々のニックネームをつけられてきた香川に、新たな称号が与えられた。 “Derbyheld”である。 ダービーの翌日、「ルール・ナハリヒテン」紙は伝えた。 「9月19日、シンジ