地方が活性化しないのはなぜか。それは公共事業などに依存して、自律的な好循環が生まれにくい経済構造を持つからである。自律的な好循環には、環境変化に応じた資源の再配分が必要だが、地方では資源の再配分に繋がる分業が都市ほど進んでおらず、所得・雇用の創出機会が限られている。ここでは足元の都市と地方の消費の差異を例にとり、この点について考えてみたい。使うのは総務省が公表する平成24年の家計消費の大都市および小都市B・町村(いずれも2人以上世帯)のデータである。 分析結果をまとめると、都市の家計は民間事業者が供給するサービスをその都度うまく利用している。賃貸マンション等の賃料や通勤・通学のための鉄道料金、都市ガス、そして外食といった支出が多い。特徴的なのは教育費や教養娯楽への支出であり、都市では家計の経済厚生を高めるような選択的な支出が多い。教育費を別にすると、これらサービスは外部の民間事業者がストッ
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