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sfとnovelに関するnagachikaのブックマーク (6)

  • 今日も研究所の外は虹 - 物語はいつも不安定

    できた。 シミュレーションの再開を操作すると上空から小さい水の粒がたくさん、数え切れ無いほどたくさんの水の粒が大地に降り注いだ。ちょっとやり過ぎたかもしれない。 細かい水の粒は大地に落ちて合流し、次第に大きさを増した。もう水の粒ではない。一ヶ所に集まった大量の水はこの星に生きる生き物を潤し、代謝を潤滑に促進し、生きるために不可欠な場所となるだろう。 この水の粒はなんと呼ばれるんだろう。願わくば美しくて呼びやすい、優しい名前になるといいのだけれど。 「所長、うまくいきました。でも一つだけ心配なことがあって」 「なんだね?」 所長がこっちを向いた。いつもの通り、厳しいけれどもどこか優しい目。それでも昔は今よりもっと優しい目をしていたように思う。 「上空から水の粒が降ってくるという仕組みはすごくいいと思うんです。これならいたるところに新鮮な水を十分に行き渡らせることができます。さすがです。ただ、

    今日も研究所の外は虹 - 物語はいつも不安定
  • いつか、遠い昔のシューティングゲームを - Junk

    01 連合宇宙軍第七番母艦《ノイマン》、医療区画第一病棟、フロア二のB室、そこに設置された六十四基の胎盤ポッドのひとつから、あたしは生まれた。この時代、ほぼ万に一つ、奇跡に等しい確率でしか生まれない”正常な”遺伝子を持つ人類として。 百年前の地球脱出における”根汚染”のおかげで、生後一時間と生きられない未熟児・奇形児の発現率が激増した。いまや胎児段階におけるナノマシンを使った発現形質の調整や、未発達器官の代替が必須というご時世なのだから、あたしのようなまっさらな人類はたいそう珍重された。 大人たちは、あたしのことをよく「最後の人類」と呼ぶ。 たぶん最初にあたしをそう呼んだ担当医は、後頭部に外付け式の外部メモリを増設している。大人たちはみんな、遺伝子異常によって欠損した身体や未発達の脳を補うために、そういった拡張処置を受けている。あたしは忘れっぽいから、そういうものがあったほうが便利だと思う

  • 日本復興に必要な創造力の量はインターネットをもう一回作るくらいの量 - アンカテ

    「ゆうべ、変な夢、見ちゃったよ」 「何、どうしたの?」 「サーバが落ちて、再起動しようとすると、ぜんぜんだめで、それどころかデータがどんどん消えてくの」 「それはいやな夢だね」 「それも、普通のサーバじゃないんだ」 「というと?」 「というか、その世界じゃ、ネットそのものの成り立ちが全然違うんだ。中央にでっかいプラントみたいな凄いサーバがあって、それで、そこにあらゆる情報が集められてんの」 「クラウドみたいなもの?」 「いや、何十メートルもあるでっかいCPUがあって、それが1台で何千万人のデータを全部管理してる。それも、特定サービスだけじゃなくて、全てのサービスがその1台で管理されてるんだ」 「なんじゃそりゃ?」 「だから、オペレータも何百人もいて、みんなで復旧作業をしてるんだけどうまく行かない。もう大事件になってテレビも全部それを中継してて、俺の上司が必死で頭下げてて...。だけど、そう

    日本復興に必要な創造力の量はインターネットをもう一回作るくらいの量 - アンカテ
    nagachika
    nagachika 2011/04/01
    これは……
  • ザ・セイント・オブ・ハイランド - 回転図誌

    その頃わたしは軌道エレベータ協会に務めていて、主に施設の修復・保全を担当する部署にいた。 人類の叡智を集めて築かれた巨大な柱も、流石に築百二十年ともなるとあちこち経年劣化が目立つ。お蔭でわたしの部署は常に仕事に追われており、一年の大半を上層で過ごさざるを得なかった。 そんなわけでわたしは迷うことなく、半年振りに手に入れた休暇を地上でゆっくり過ごすことに決めたのだった。というより前々から「今度休みが取れたら下に降りよう」と決心していたのだ。 久しぶりに故郷に顔を出そうか、それともどこか旅行にでも行こうか。そんな楽しい迷い方をしながら、わたしはエレベータの二等客室に乗り込んだ。安いだけあって普段は大抵満席の二等だが、この時は時期外れを狙ったのが功を奏して乗客も疎ら、まずまず落ち着いた旅になりそうだった。走り回ったり泣き喚いたりしそうな小さい子供がいないのも幸運だった。 手荷物を収納して席に落ち

    ザ・セイント・オブ・ハイランド - 回転図誌
  • ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評

    文学というメタゲームへの最終兵器にして史上最も難解なSF。あるいは「火の鳥 ハードSF篇」。グレッグ・イーガンは多分この作品で文学を終わらそうとしている。「批評の終着点はどこか」では批評のメタ構造ゆえに、究極の文学・究極の批評などありえないことを論じました。しかしもし、究極の文学がありえるとしたら、それは批評のメタ構造そのものを捉え批評するような、批評というゲームをクソゲーだと気づかせてしまうようなそんな作品になるはずです。それが「ディアスポラ」です。 ストーリーはクラーク「幼年期の終わり」や小松左京「果てしきなき流れの果に」のテーマである「人間の存在は宇宙でどのような意味を持つのか」という王道を突っ走るもの。しかも既存のどんなSFよりも深く難解に。エンタメとしては限りなく終わっていますが、SFとしてはひとつの到達点を見たと評価します。舞台は30世紀で人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶

    ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評
    nagachika
    nagachika 2010/03/04
    「批評というゲームをクソゲーだと気づかせてしまうようなそんな作品」
  • 月の娘 - 回転図誌

    人類が宇宙に移民を開始して二世紀。人類史上最悪と思しきテロルは月で起こされた。 テロルとしてはごくありふれた経緯でそれは起こった。もっとも、大抵のテロルが起こる経緯は似たようなものなのかも知れない。ともかく、この場合も当事者なりの理屈、思惑があり、彼らは彼らなりの正義によってそれを遂行したのだろう。その理由についてはここでは語る言葉を持たない。 しかし彼らは、少々やりすぎた。彼らがとった手段は月面及び月地下施設における、同時爆破だった。だが、彼らが爆破した施設には、月のエネルギープラント関連施設が含まれていた。彼らの思惑には、プラントの運転停止、月都市へのエネルギーの供給不足、という筋書があった。しかし実際には彼らの行為によってエネルギープラントの暴走、他施設の誘爆、といった具合に、考えうる範囲の内で最も悪い方向に事態が進んだ。 悪いことに、当時月の施設は多くが月面ではなく、地下に建造が進

    月の娘 - 回転図誌
    nagachika
    nagachika 2009/01/13
    これは一連の降臨ものの中でもクオリティ高い。
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