できた。 シミュレーションの再開を操作すると上空から小さい水の粒がたくさん、数え切れ無いほどたくさんの水の粒が大地に降り注いだ。ちょっとやり過ぎたかもしれない。 細かい水の粒は大地に落ちて合流し、次第に大きさを増した。もう水の粒ではない。一ヶ所に集まった大量の水はこの星に生きる生き物を潤し、代謝を潤滑に促進し、生きるために不可欠な場所となるだろう。 この水の粒はなんと呼ばれるんだろう。願わくば美しくて呼びやすい、優しい名前になるといいのだけれど。 「所長、うまくいきました。でも一つだけ心配なことがあって」 「なんだね?」 所長がこっちを向いた。いつもの通り、厳しいけれどもどこか優しい目。それでも昔は今よりもっと優しい目をしていたように思う。 「上空から水の粒が降ってくるという仕組みはすごくいいと思うんです。これならいたるところに新鮮な水を十分に行き渡らせることができます。さすがです。ただ、