ある冷たい雨の降る朝、彼は育てられていたおうちで箱のようなものに入れられ、その箱とおうちの人達と一緒に揺れる何かに乗ってどこかに連れて行かれた。彼がすっかり空腹になった頃、揺れが止まって、箱に入った彼が運び出された。しばらくして、箱の出入り口が開き、彼の知っているおうちの人と違う二本脚が、「これから、ここが君のおうちだよ」と話しかけてきた。 新たに迎え入れたキャリーに入った子猫は、新居に着いても無理に出してはいけない。というのがセオリーなんだけど、お嬢にゃんの時はずーーーっと引きこもってくれたので引っ張り出しちゃったものだった。今度はどうかなと思いつつ、キャリーの入り口を開けると、あっさり子猫は出てきた。なんの屈託もない。そのまま、部屋の探検をはじめた。 もちろん、異変を察知したお嬢にゃんは、キャットタワー根元のシェルターに避難済みである。そして、子猫がそのシェルター近くと通りかかると。