菅義偉官房長官が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志知事と初会談したことで、政府は今月下旬の安倍晋三首相の訪米など日米同盟を深化させる重要な局面に向けた環境整備を着実に前進させている。 首相は4月26日から訪米し、オバマ大統領と会談する。首相は強固な日米同盟をアピールし、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺や南シナ海で挑発を続ける中国や北朝鮮を牽制(けんせい)したい考えだ。会談に先立っては、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が開かれ、自衛隊と米軍の役割を定める「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定を決定する見通しだ。 だが、昨年12月に知事に就任した翁長氏との会談が行われないままでは、米政府に辺野古移設が頓挫する危惧を抱かせる可能性がある。対米公約が国内事情でひっくり返されれば、安全保障上の欠陥を招きかねない。首脳会談