沖縄島辺野古・大浦湾の危機から 安部真理子・大久保奈弥 (あべまりこ 日本自然保護協会 おおくぼ なみ 東京経済大学) 沖縄島の辺野古・大浦湾は,国内外で大切さが認められている非常に特徴的な場所です(たとえば19学会合同の要望書(2014年11月,本誌2015年2月号掲載)など).まさにそこで米軍基地建設のための工事が行われています.護岸延伸により埋め立て予定海域の一部が閉じられようとしており,8月17日には土砂が投入されようとしています. この場所には,沖縄島周辺で最大規模の海草藻場があります.4頭の生息が知られるジュゴンにとって,最後の砦となる場所です.さまざまな種類や形のサンゴ群集,海草藻場,マングローブ,干潟,泥地,砂場などが一つのセットを作り上げており,これだけの規模のサンゴ礁生態系は世界的にもなかなかみることはできません.その場所に護岸を作っているのです. 国際サンゴ礁年である