冒頭に記しておきますが、私は物理的に他人を八つ裂きにしたいと思ったことはこの歳になるまでなかったように思います。 ある花屋が私に新しい感情を教えてくれた。 エッセイ「海馬が耳から駆けてゆく」の中で最近も書いたのですが、女子短大の同期Rの長女、Nが先日十八歳になりました。この間久しぶりにNに会ったら、健やかで朗らかでとてもかわいい、かわいいかわいい……かわいいふじょしになっていました。私の本をお友達に勧められて読んでくれています。Nの母親の友人である私の複雑さは一言では語れないけれど、同業者ならきっと、 「心中察して余りある」 と、思っていただけるのではないかと思います。 私もふじょし。私の小説の読者さんもだいたいふじょし。友達もふじょし。でも赤ん坊のときから知ってる十八歳に、自分の著作物読まれるのは普通に照れます。それとこれとは話が別なのよ。 それはさておき、私の同級生友人の最初の赤ちゃん