急性ウイルス性感染症の一つエボラ出血熱について8日、世界保健機関(WHO)が公衆衛生における国際的な緊急事態を宣言した。アフリカ西部での死者数は1000人近くに上り、欧州で国内の感染者発症の可能性を示唆する一部の報道が恐怖心をあおっている。パニック感を誘発しかねない報道がある一方で、ソーシャルメディアやテクノロジーを使って正確な情報を送り出す試みも続いている。(在英ジャーナリスト&メディア・アナリスト、小林恭子) イタリア、スイスで反移民感情刺激 エボラ出血熱は1970年代にスーダンの男性が消化器や鼻から出血後に亡くなったのが最初の発症とされる。空気感染はないが、患者の血液や体液、排泄(はいせつ)物などに触れることで感染が広がる。有効な治療法が見つかっておらず、致死率が高い伝染病の一つだ。 今年初めにエボラ出血熱が発生してから、アフリカ西部のギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネに広