フリーペーパーのミニコラムや電車の車内放送、ポータブルゲームコンテンツなど…。各方面で引く手あまたなのが 「おとなの常識」 を教える読み物だ。常識ある日本人の育成にも一役かっている。しかし、活用の舞台が増えるにつれカンジンの常識の在庫が枯渇する事態が深刻化。かわってこうした読み物の編集者やライターが目を向けているのが“世界”だ。 「向こうから同じ部族の既婚者の女性がタロイモをもってやってくる。未婚男性のあなたはどう挨拶すべきか」 正解は「股間を見せつけにこやかに微笑む」。パプアニューギニア島ニラウカワ族なら誰でも知っている常識だ。都内編集プロダクションに勤める田中泰次さん(32)が、現地取材で苦心して収集してきた珠玉のひとつである。 車内放送向けの常識コラムを書いている田中さんも、かつては日本国内の常識を題材にしていた。しかし、書き続けているうちに 「訪問先の家屋が清朝末期様式だった場合、