■難しい仕事と育児の両立 新たな働き方模索 ◆長時間労働が前提 「一流企業には入りたいけど、子供が生まれたら子育てに専念したい」 難関国立大学に通う女子学生たちが口々にそう言うのを、一橋大大学院商学研究科のクリスティーナ・アメージャン教授は、複雑な思いで聞いている。みんな成績優秀だが、野心はかつての若者ほどにないと感じる。 アメージャン氏は1980年代に日本企業に入社。ハーバード大を出た自分の仕事は、灰皿の片づけだったのを思い出す。 「過去に比べて改善したと、日本企業は満足してはいけない。国際競争が不可避のいま、男性ばかりの組織が世界でいかに異様かを知るべきだ」とアメージャン氏。多くの日本企業は残業、飲み会で長時間労働が前提だ。家事で夫の助けは、たいして期待できず、子育てをしながら働くことが「女子学生には魅力的にみえない」と指摘する。 共働き世帯が増え、安倍晋三政権が一層の女性