世界的な金融危機を反映して乱高下する為替相場。これを受けて“活況”を呈しているのが外国為替証拠金取引(FX)だ。しかし売買高急増の裏で、FX業界には淘汰・再編の荒波が迫りつつある。 「10月の当社のFX取引金額は、月間ベースで過去最高」。カブドットコム証券の雨宮猛常務執行役は打ち明ける。急激な円高ドル安進行を逆手に取り、相場反転狙いで一獲千金をもくろむ「逆張り」の取引が増加。為替差損が一定額以上に膨らんだ場合、FX会社が投資家の代わりに強制手仕舞い(反対売買)して損失を確定する「自動ロスカット」が相次いだのも原因とみられる。 FXは、個人向けの外貨売買金融商品(差金決済)。証拠金に対し取引額の倍率「レバレッジ」を高めれば、少ない元手でも多額の利益を得られる「ハイリスク・ハイリターン」型の金融商品だ。株と違い、為替の値動きを見て投資するわかりやすさも人気を呼び、急成長を遂げた。 200