樋渡:あらゆる公共施設の中でも、住民からすると、図書館って、いちばん敷居が低いじゃないですか。市役所や病院って用事のあるときにしか行きませんよね。誰もが気軽に寄る場所じゃない。その点、図書館は、子どもも浪人生も学生もサラリーマンも主婦もお年寄りも、あらゆる人に門戸が開かれた、皆が気軽に使える公共の場です。 だったら、図書館をもっと元気のある場所にできないか。武雄市の図書館もそうだったんですが、図書館そのものは、多くの人にとって決して居心地のいい場じゃなかった。だいたい午後6時には閉まっちゃうし、休館日も多い。なんだかカビくさいし、照明も暗い。一方で、住民の要求に一方的に従って、ベストセラーばかりが何冊も置いてあって、民間書店のビジネスを圧迫したりしている。 現実を動かせば、人も街も変わる 樋渡:どうすれば、図書館を利用者目線でプロデュースし直せるだろう。そう思ったとき、2011年12月の「