「ウーマンリブの旗手」田中美津さんに聞く(下) 1970年代に日本のウーマン・リブ(女性解放運動)を主導し、現在はしんきゅう師として活動する田中美津さん(73)=東京都八王子市=は、アダルトビデオ(AV)への出演強要について「誰が悪いのかは言うまでもなく、はっきりしている。だます側をしっかり問題にしていかなければならない」と訴える。その上で、一部の被害者側の心の傷の回復を考えると、「嗜癖(しへき)」という視点から考えることも重要だと指摘する。 嗜癖(アディクション)とは、特定の物質や行為、人間関係に執着し過ぎて行動や感情をコントロールできなくなる--つまり「何かに依存してやめられない」という心の状態を指す。田中さんは、自身が幼児期に性的虐待を体験している。そのために、悪いのは虐待をした男だと分かっていても、自分を価値のない存在だと感じることから逃れられず、長い間苦しんだ。やさしい男だと「こ