まばゆい輝きで、昔も今も人々を魅了し続ける金。景気動向に左右されにくく不景気時に価値が高まる実物資産とあって、近年は需要が高まっている。ただ、その状況に付け入るように金の密輸が急増。1月には計130キロの金塊を香港から関西国際空港に持ち込み密輸しようとしたとして、外国人を含む男女計10人が大阪府警に逮捕された。金を輸入する際にかかる消費税の支払いを免れ、利ざやを稼ぐのが目的だったとみられる。5%から8%への消費増税に伴い密輸の〝うまみ〟は増しており、平成29年4月に消費税が予定通り10%に引き上げられれば、さらに活発化することも予想される。捜査当局は水際対策を強化している。 「化粧品にしては重そう」 平成27年2月14日夜。関空に到着した香港発キャセイパシフィック航空502便から、30~40代の男女4人が降り立った。傍目には、旅行から帰国した2組のカップルだが、実は密輸の「運び役」だった。
