「ラブホテルは美術館に飾られるアートより、よっぽどアートだ」。編集者・都築響一氏は言い、たしかに日本特有の文化として海外のメディアにも繰り返し取り上げられてきた「ラブホ」。回転ベッドに、メリーゴーランド、方々鏡で囲まれた部屋など、日常とは乖離した特異な空間は、人々を魅了して止まない。それは日本人だけでなく、外国人も然り。 もはや日本の文化遺産と呼んでも過言でない、そんな「ラブホ」の空間そのものを写し出すものは、これまで世の中に数多く存在するのだが…。 ベルギー人フォトグラファーZaza Bertrand(ザザ・バートランド)の写真集『Japanese Whispers(ジャパニーズ・ウィスパーズ)』もまた「ラブホ」が舞台。異なるのは、その被写体だ。よくある異質な内装を写し出したものではなく、ザザが切り取るのは「ラブホ」を利用する「人々」、そしてその間にある相互関係と距離感だ。一聞すると、ど
![密室「ラブホ」で撮る。日常と乖離したハコで外国人フォトグラファーは何を見た?写真集『Japanese Whispers』 HEAPS Magazineー時代と社会の、決まり文句に縛られない。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8296883e894ed1bfd6569260debda2c9a70da1fe/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fheapsmag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F01%2Feye3.jpg)