「反知性主義」の安倍政権が大多数の国民に不幸をもたらす 佐藤優・著『知性とはなにか』 佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」Vol.062 読書ノートより 知性主義との対抗を意図して本書を書いた。本書の問題意識と射程が明確になっているまえがきとあとがきを引用しておく。 <はじめに 現下の日本も世界も危機的状況にある。テロや暴力に訴えることによってでも、単一のシャリーア(イスラム法)のみが支配するカリフ帝国(イスラム帝国)を建設しようとする「イスラム国」(IS)の策動が活性化している。中国やロシアは、既存の国際秩序を一方的に変更しようとしている。 米国は、依然として、世界一の軍事大国かつ経済大国であるが、その影響力には翳りがでている。国際経済にしても、一応、米ドルを基軸とする管理通貨制度下にあるが、ヒト、モノ、カネが自由に動くグローバリゼーションの中で、国家によるマネー(通貨)の管理には限界が