一般に、赤ちゃんは“寒さに弱い”と考えられがちですが、“暑さに弱い”と考えていた方が安全です。そして、なぜ赤ちゃんが暑さに弱いのかを知っておくことがSIDSを未然に防ぐための秘訣です。 赤ちゃんが睡眠に入ると、睡眠は次第に深くなり、筋肉の緊張低下と共に交感神経系の応答が低下します。その結果、心拍数の減少や、手足や皮膚の末梢血管の拡張が起こり、放熱量が増加します。この時、布団の中の温度や湿度が適切であれば、放熱によって体温が低下するため、寒さを感じた赤ちゃんは、交感神経系の応答を亢進させ、末梢血管を収縮させ、放熱量を減少させます。このような時は、同時に心拍数も増加し筋肉の緊張も出現し睡眠が浅くなっています。睡眠が浅くなった時点で、寒さが続いたり/誰かが触ったり/音や空腹などの刺激が強いと目覚めますが、刺激がなく、筋緊張の増加や放熱量の減少によって体温の上昇が起こると、再び深い睡眠に戻ります。